ただし、分別ルールの細かさは、日本以上です。自治体によって異なるものの、家庭ゴミは7色の袋にわけて出すのが基本。可燃ゴミは白色、紙ゴミは黄色、プラスティックは黄色、といった具合です。

驚くのは、ボールペン一本にしても尖端の金属部物、持ち手のプラスティックと分解してゴミに出すこと。またスプレー缶の先端部分(プラスティック)を取り外したり、付箋は糊の付着した部分を可燃ゴミ、それ以外を資源ゴミで出したりと、非常に細かい分別ルールを設けています。

結果、スェーデン国内のゴミリサイクル率は99%に。回収した可燃ゴミは廃棄物発電所で焼却し、発電および熱利用を行っています。また「ゴミは燃料」という考え方により、近隣諸国から年間約200万トンのゴミを受け入れ、利活用しているとのこと。この現状を見るに、日本のゴミ分別ルールが極端に厳しいわけではなさそうです。

アメリカはどうでしょうか。州・地方自治体により異なりますが、家庭ゴミ・資源ゴミ・草木類の3種類に大別。家具などの粗大ゴミにおいても、そのままゴミ捨て場に持っていく人が少なくありません。

資源ゴミは缶・ビン・ペットボトル・古紙となっており、ビンやペットボトルには「デポジット制」が採用されています。これは商品代金とは別にデポジット(預かり金)を支払い、空の容器を返却すると、預かり金が戻ってくる仕組みです。

また現地のスーパーの駐車場において、資源ゴミを買い取る専門業者がいるとのこと。その場で現金あるいは金券に交換できます。いずれにしても、ゴミ分別のルール自体は、そう厳しくない様子。日本よりは緩いがエコロジー・リサイクルに力を入れている、といったところでしょうか。

オランダ発の「ゴミリサイクル経済」

日本人としても、「ゴミ分別は面倒だなぁ……」と思うのが本音。ルールだから分別しているだけで、私達国民に直接的な恩恵はないからです。一方、オランダ・アムステルダムには、家庭ゴミを分別すると電子コインがもらえる仕組みが導入されています。