子供との時間をたくさん持てるようにと駄菓子屋を始めたねこねこむさん。毎日夜遅くまで仕事を頑張る夫を支えつつ、小学校3年生の長女と幼稚園年少組の次女の育児と家事、そして仕事にと、目が回るような忙しい日々を送っています。

ある日の朝、夫が出勤準備をしながら「今月、平日に休みが取れそうだから、たまには夫婦でお出かけしない?」と言い出しました。とても魅力的な提案に、心の中では「いいね!」と思う、ねこねこむさん。でも、とっさに口をついて出たのは「行きたいけど…。」と少々消極的な言葉。というのも、今は夫と子供たちを定刻に送り出すべく、朝食準備の真っ最中。たしかに、お店には定休日があるし、事前に貼り紙やSNSで、お客様にお知らせしておけば臨時休業も可能なのですが、主婦には、その他にもこなさなくてはいけない家や子ども関係の用事があります。行けるかどうかは、落ち着いて考えないとわからない…。

しかし、夫は、ねこねこむさんの「行きたい(けど…)」という返事を聞くなり、同意を得られたと思ったのか、胸の中で温めてきたであろう、その日の計画を熱心に語りだしました。「学校が終わった子ども達は、俺のほうのじいじとばあばにお願いしてさ!この日の定休日なんか、どうかなあ?」しかし、夫が提案した定休日は、次女の習い事がある日。次女が楽しみにしていることですし、教室までは車での送迎が必須なので、この日に用事を入れることはできません。「そうなの?」と、あてがはずれてガッカリした表情になる夫。一方でねこねこむさんは、時計を見ながら、子どもたちに朝食を用意し、夫のお弁当を包んで渡し、自分も食卓につきます。

椅子に座ってパンをほおばり始めると、横に座った夫がカレンダーとにらめっこをしながら、他の候補日を探し始めました。「この日は?」「午後から小学校の懇談会。」「じゃ、この日は?」「午後から幼稚園の懇談会。あと、午前中はお店の荷物が届くから、家にいないと。」「じゃあ、この日は?」「長女のスポーツクラブの当番だから無理。あと、お義母さんが、この日とこの日は、仕事でいないから預けられないよ。」

そんなやりとりを続けているうちに、子どもたちが朝食を食べ終わってしまい、長女は、学校へ行く支度をはじめています。しかし、食後のお茶を飲んでいた次女が、手を滑らせたのか「お茶をこぼしたー」と騒ぎ出しました。慌てて立ち上がり、しょんぼりする次女をなだめつつ、ふきんで食卓をふきはじめるねこねこむさん。そんな彼女に、夫が再び問いかけます。「じゃあ、この日は?」