共働き世帯の家計管理のやり方はさまざまです。生活費を費目別に分けて、「住宅ローンは夫、食費は妻」などと分担しているケースもあるでしょう。生活費用の口座を作って夫婦がそれぞれお金を入れて、そこから生活費やおこづかいを拠出する方法も広く使われています。
とはいえ、夫婦の財布を別々にしていて相手のふところ事情がわからないと、家計の全体像が見えにくくなりがちです。「生活費以外の部分は自分が自由に使えるお金だ」と感じやすい点が、共働き世帯の大きな問題といえるでしょう。
「お互いに相手がお金を貯めていると思っていたが、実は我が家には貯金がまったくなかった」という事態にもなりかねません。
財布が別の共働き夫婦は離婚しやすい?
夫婦が一緒に安心して老後を迎えるためには、できる限り共働きで稼いでおくほうが安心です。シングルインカムの場合、稼ぎ手に万が一のことがあると困ったことになりがちですが、共働きならリスク分散ができるのです。
とはいえ、共働きでも離婚をすれば、状況が大きく変わってしまいます。子どもを抱えたシングルマザー(ファザー)が貧困に陥りやすいことはよく知られています。2人で支えていた家計が回らなくなるので、女性だけではなく男性の生活が苦しくなることもまれではありません。安心して老後を迎えるためには、夫婦円満を維持することが重要になってくるでしょう。
自分の収入の詳細を配偶者に知られたくない人もいるかもしれませんが、配偶者の不平不満が蓄積しないように配慮することも大切です。「財布が別の夫婦は離婚しやすい」といわれることもあるため、十分注意しましょう。
夫婦仲良く老後を
人の幸せを決めるのはお金だけではなく、専業主婦世帯と共働き世帯の「どちらかが良い」というわけでもありません。家計管理についても、貯金ができて夫婦がお互いに納得できるなら、どんなやり方をしても良いのです。配偶者を尊重して意見をすり合わせながら、協力しあって老後に備えましょう。
【参考】
『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成30年)』金融広報中央委員会(知るぽると)
(※1)『専業主婦世帯と共働き世帯1980年~2018年』労働政策研究・研修機構
『家計調査 家計収支編[二人以上の世帯]』総務省統計局
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。
LIMO編集部