2019年12月3日には浅草に、植物性の商品のみを提供するヴィーガンコンビニ&ファミレス「VEGAN STORE」がオープン。さらに2019年11月22日に開業を迎えた新生渋谷パルコには、六本木や恵比寿に店舗を構えるヴィーガン料理専門店「FALAFEL BROTHERS」が入りました。まるで本物のお肉のようなひよこ豆コロッケを、ピタパンで食べるスタイルです。

ヴィーガンフードで最も注目されているのは、牛肉や豚肉、鶏肉の肉代替品である、大豆を使う「大豆肉(大豆ミート)」。大豆肉が盛り上がっているのは、専門店だけではありません。昨今は、さまざまな家庭用大豆肉商品が続々と発売されているんです。

マルコメでは2015年に、大豆加工品の新ブランド「ダイズラボ」から家庭用の大豆ミート「大豆のお肉」を発売しました。「ボンカレー」で有名な大塚食品も昨年から今年にかけて、大豆を使ったお肉不使用「ゼロミート」シリーズからハンバーグタイプやソーセージタイプを新発売。食品大手が続々と参入し、すでに大豆肉は目新しいものではなくなりつつあるのです。

こうした専門店や家庭用食品の盛り上がりは、「人間は他の動物を摂取してはいけない」というヴィーガン本来の思想ではなく、単純なヘルシー志向が追い風になっていることは明らかです。

しかし、「健康のことを考えたいけれどもお肉もたくさん食べたい」という人にとっては、がっつりとお肉を食べた次の日には大豆肉で調整するといった選択肢が取れることは嬉しいですよね。2019年にタピオカがブーム以上の文化になったように、2020年にはヴィーガンフードがスタンダードな食ジャンルとして定着するのかもしれません。