勉強をやりたがらない子に対しては、「無理強い」しないことが重要です。そこで無理に勉強をさせて「勉強嫌い」にしてしまっては、「基礎学力」が身につかない可能性も。学校の授業と宿題だけやらせておけば「基礎学力」が身につくので、子ども自身が「勉強したい」と思ったときに大逆転できるチャンスがあります。
また、やるべきことを「数字化」して子ども自身に把握させることも大切です。
東大に合格するような難関校の生徒たちは、単に頭がいいのではなく、自分の能力を効率よく発揮する術を心得ていると感心します。
つまり彼らは、自分が100個の英単語を覚えるためにはどれだけ時間をかければ必要かつ十分なのか、この問題集の内容をすべてマスターするために自分は何回くり返せばいいのかを経験的に知っているのです。
逆に勉強に苦労する子は、自分の力を過小評価したり過大評価しがちな傾向があります。3回やれば覚えられるのにいつも2回でやめてしまって結果が出せなかったり、2回で十分なのに5回も6回もくり返すムダな努力のせいで、本来やるべきことに手が回らなくなっている子は珍しくありません。
もちろん、状況に応じて親の助言も必要ですが、親自身がそれでうまくいっていたからといって、そのやり方を子どもに押し付けてもうまくいくとは限りません。
計画の仕方がベストかどうかは、その子の性質や能力に合っているか否かであって、決まったフォーマットはありません。だからこそ、トライ&エラーが必要です。
〈書籍概要〉
『それは子どもの学力が伸びるサイン!』
著者:富永雄輔
発売日:2019年11月
定価:1,400円(税抜き)
発行:廣済堂出版
〈著者プロフィール〉
富永雄輔
進学塾VAMOS (バモス)代表。幼少期の10年間、スペインのマドリッドで過ごす。京都大学を卒業後、東京・吉祥寺、四谷に幼稚園生から高校生まで通塾する進学塾「VAMOS」を設立。入塾テストを行わず、先着順で子どもを受け入れるスタイルでありながら、毎年約8割の塾生を難関校に合格させている。
受験コンサルティングとしての活動も積極的に行っており、年間300人以上の家庭をヒアリング。その経験をもとに、子どもの個性にあった難関校突破法や東大生を育てる家庭に共通する習慣についても研究を続けている。
アップルシード・エージェンシー