スマートフォンに夢中すぎる、幼すぎる、勉強を嫌がるなど、子どものことで、親が「困った!」となるのは日常茶飯事。でもこれは「学力が伸びるサイン」と、富永雄輔先生は言います。

入塾テストなしなのに、難関校に生徒を続々合格させる塾長の富永先生は、まさに「子どもを伸ばす達人」です。親が困ってしまう子どもの行動は、子どもからの「サイン」だととらえて、親が適切な対応をすれば、子どもの学力を伸ばすことにつながります。

書籍『それは子どもの学力が伸びるサイン!』(廣済堂出版)では、ピンチ別に具体的な解決法を数多く掲載しています。今回はそこから、子どもの「サイン」に対して親がどう接するべきか、そのヒントをご紹介します。

ピンチ1:とにかく、勉強したがらない

→無理強いせず、宿題だけはきちんとやらせる

親が、「宿題」+アルファの勉強を子どもにやらせたくても、受験直前でもないのに、そこに意欲を見せる子などほんのひと握りです。

基本的には「やりたくないならやらなくてよい」というのが私の考えです。

「勉強をやりたくない」に関しては、ある意味子どもの「甘え」なので、親は真正面からは向き合わないのもひとつの賢いやり方です。ここで「勉強の意味とは~」などと説教しても、効果はありません。

それどころか、子どもに無理強いすることで、「勉強大嫌い」にさせてしまったら、もう取り返しがつきません。現在の「勉強はそれほど好きではない」状態のまま、それ以上は悪化させないようにしましょう。

一方で、「基礎学力」はつけておく必要があります。
「基礎学力」さえあれば、本人がやる気になったときに爆発して大逆転できるチャンスが残っています。逆に、この基礎学力すらおろそかになったままでは、今後、逆転は不可能かもしれません。
「基礎学力」がつくのは「学校の宿題」なので、「宿題」はさせるべきです。
 
結局、「学校の授業」+「宿題」でその単元をきちんと理解し、成績も問題ないのであれば、それ以上は机に向かわせる必要はありません。

ピンチ2:宿題を先延ばしにする!いやがる!

→「計画力」をつけるしかない

宿題をいやがるのは、学校の授業を十分理解できていないサインかもしれません。そのため、宿題を難しく感じてやりたがらないのです。

ここを見逃してしまうと基礎学力が十分でないまま学年が進んでしまい、受験などで苦労してしまいます。先述のとおり、とにかく学校の宿題だけは最低限やらせます

たとえば遊びに行く前にやる、夕食前にやる、というように子どもに宿題のクセをつけさせます。あるいは、気分が乗らないなら場所を変えるとか、次の日でもよいなら次の日にするとか、気分を変える工夫もします。

ただ、来週提出する宿題とか、夏休みの宿題などのように自分の意思で先延ばしができるものだと、先延ばしにした挙句に忘れたり、ためたりしてしまうお子さんは少なくないでしょう。

やるべきことができないのは、計画性がないから。つまりそういう子に必要なのは、「計画を立ててそれを実行する」トレーニングです。

最初は小さい計画をたくさん立てることからはじめてください。

まずは、1~2日程度の短いスパンを設定して、その間に何をやらなくてはいけないかをノートなどに書き出させます。スケジュール帳やカレンダーを使うのもよいですね。

たとえば「1週間後までにドリルの5~12ページまでを解く」という宿題が出たのなら、その内容を書き出して、期限までにそれを終わらせるには、何日で何ページ進めていけばよいかを考えます。

毎日1ページずつでもいいし、1日おきに2ページずつでもかまいません。中には1日で全部やってしまおうと考える子もいるでしょうが、基本的には本人の意思にまかせて大丈夫です。

ただし、大事なのは、「数字化」です。何ページやる、どこからどこまでやる、と具体的な数字に落とし込めているかはきちんと確認してください。「できるだけがんばる!」のような抽象的なものは計画とは言えません。

計画どおりに実行できて、期限が守れたら、その努力をしっかりほめてください。そうやって「きちんと計画を立てれば実行できる」という自信をつけさせることが大事です。

頭が良い子は「自分の能力を効率よく発揮する術」を知っている

勉強をやりたがらない子に対しては、「無理強い」しないことが重要です。そこで無理に勉強をさせて「勉強嫌い」にしてしまっては、「基礎学力」が身につかない可能性も。学校の授業と宿題だけやらせておけば「基礎学力」が身につくので、子ども自身が「勉強したい」と思ったときに大逆転できるチャンスがあります。

また、やるべきことを「数字化」して子ども自身に把握させることも大切です。
東大に合格するような難関校の生徒たちは、単に頭がいいのではなく、自分の能力を効率よく発揮する術を心得ていると感心します。

つまり彼らは、自分が100個の英単語を覚えるためにはどれだけ時間をかければ必要かつ十分なのか、この問題集の内容をすべてマスターするために自分は何回くり返せばいいのかを経験的に知っているのです。

逆に勉強に苦労する子は、自分の力を過小評価したり過大評価しがちな傾向があります。3回やれば覚えられるのにいつも2回でやめてしまって結果が出せなかったり、2回で十分なのに5回も6回もくり返すムダな努力のせいで、本来やるべきことに手が回らなくなっている子は珍しくありません。

もちろん、状況に応じて親の助言も必要ですが、親自身がそれでうまくいっていたからといって、そのやり方を子どもに押し付けてもうまくいくとは限りません。

計画の仕方がベストかどうかは、その子の性質や能力に合っているか否かであって、決まったフォーマットはありません。だからこそ、トライ&エラーが必要です。

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『それは子どもの学力が伸びるサイン!』富永雄輔(著)廣済堂出版(画像をクリックするとAmazonページにジャンプします)

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〈書籍概要〉
それは子どもの学力が伸びるサイン!
著者:富永雄輔
発売日:2019年11月
定価:1,400円(税抜き)
発行:廣済堂出版

〈著者プロフィール〉
富永雄輔
進学塾VAMOS (バモス)代表。幼少期の10年間、スペインのマドリッドで過ごす。京都大学を卒業後、東京・吉祥寺、四谷に幼稚園生から高校生まで通塾する進学塾「VAMOS」を設立。入塾テストを行わず、先着順で子どもを受け入れるスタイルでありながら、毎年約8割の塾生を難関校に合格させている。
受験コンサルティングとしての活動も積極的に行っており、年間300人以上の家庭をヒアリング。その経験をもとに、子どもの個性にあった難関校突破法や東大生を育てる家庭に共通する習慣についても研究を続けている。

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