自然な流れでそのレジの先頭に並ぶと、すぐ後ろに、強面のヒゲを生やしたガタイのよいジャージにサンダル履きの男性が並びました。

あらためて、商品の価格を尋ねたもののスタッフも価格がわからず、バーコードを通しても価格が表示されないという事態に。慌てるスタッフに「大丈夫です、ゆっくりで」とC子が声をかけた途端、後ろに並んでいた男性が「俺、急いでるから先してや!」と、ものすごい剣幕で言い放ちました。

そして、手に持っていたカゴをガンッ!とレジカウンターに置くと、「さっさと会計してや! 俺、急いでんねん!」と、さらにまくし立てます。ガムを噛んでいるのか、口からクチャクチャという嫌な音を立ててC子のほうを睨みます。「…あ、先にレジ…、してあげてください」男性の態度や口調に軽い恐怖を感じたC子は、スタッフにそう言いました。

C子の言葉に男性が、「ほれほれ、姉ちゃんも、そう言うてるやんけ!」とC子の前に割り込もうとした次の瞬間、
どこからどう見ても草食系のおとなしそうな印象だったスタッフの目つきと態度が急変。

「何を言ってるんですか? 今はこちらのかたのレジをしているので、きちんと並んでお待ちください」と、ハッキリとした口調でそう注意してくれたのです。男性は驚いた様子で固まり、そのあとはブチブチと文句を言いながらも、店内に戻っていったと言います。

こうして事態が収まったのは、スタッフの方が毅然とした態度で対応してくれたことが大きいのではないかとC子は話してくれました。

店内のスタッフがきちんと対応してくれることは、お客としてとても心強く頼もしいものですね。何かあったときは、まず、付近にいる店内スタッフに助けを求めてみるというのもひとつの手段かもしれません。

おわりに

理不尽な言いがかりには、「単純に腹が立ったから」「スッキリするため」「お金をむしり取れる相手かどうかを見極めるため」など、さまざまなケースがあるようです。しかし、どういった理由であれ、言いがかりをつけられるほうはとても迷惑しますし、暴力沙汰や恐喝などへのエスカレートも避けたいものですね。

今回紹介した言いがかりと同じようなケースに遭遇し、同じように対処したとしても違う展開になる可能性があることは否めませんが、事ないを得た事例の一つとして皆様のヒントとなれば幸いです。

山内 良子