私の知人Bさんの旦那さんは、PTA会長として立派に活動に参加している「保護者の模範」ともいえる方。

「Bさんの旦那さんは責任感があって素敵〜」などと軽く考えていた私ですが、Bさんから旦那さんの生活スタイルを聞いて衝撃を受けました。

「主人はPTA会長に就任してからというもの、ほとんど毎月PTAの役員会や先生たちとの話し合いで学校に行っている。時間帯も夜20時をすぎることも珍しくなく、場合によっては週末も学校で役員会。それだけじゃなくて、家でも集会で使用する資料の制作や議事録の印刷などで書斎にこもりっぱなし!PTA会長として地域のイベントにも参加しなくてはいけないし、PTA会長になってから家族で過ごす時間が激減した」

こう語るBさんはとても寂しそうにしている反面、PTA会長というのがここまで激務であることを事前に知っていれば断固反対したのに…と悔やまれていました。

PTA活動は「子どものため」

「PTA会長になんてなるんじゃなかった」と不満そうに語るBさんですが、会長である旦那さんはそうでもなさそうな様子。
Bさんの旦那さんに「PTA会長いつもご苦労様です」と一声かけてみると、思わぬ反応にびっくり!

『PTA会長って確かに大変ですし、イベントが重なる月は毎週PTA関連の集まりがあって家族には迷惑をかけています。ですが、PTA活動を通して子どもたちの教育現場に携わることができ、今までは無関心だった“子どもの成長”にも興味を持って見守ることができるようになったんです。

一生この生活が続くわけでもないので、割り切ってエンジョイしています(笑)PTA会長を避ける保護者さんも多いですが、親父がしっかりとPTA会長を務めあげる背中を自分の子どもに見せることは、親としてできる教育だとも感じています』

確かにPTA活動は貴重な休日を潰してしまいかねない活動でもありますが、それを通して子どもたちが過ごす教育の現場に近づくことができます。

それは「子どもたちの成長を間近で感じることができる」とも言い換えることができ、子どもにとっても「親は自分に興味を向けてくれている」という肯定的な解釈につながるでしょう。

PTA活動に対する考え方を変えるべき?

Bさんの旦那さんが話してくれたように、今こそ「PTA活動に対する考え方」を変えてみるべきではないでしょうか。

「休みがつぶれる」「PTA活動する暇があったらゆっくり休みたい」と思えばそこまでですが、PTA活動を通して子どもにポジティブな影響を与えられることができるとすれば…学校環境を整えることに一役買えるのであれば…。

その時間は決して無駄になってしまうのではなく、子どもたちの心の中に「親は自分のために尽くしてくれた」という愛情の種を植え付けることにつながるでしょう。

とはいえ、貴重な休日が毎回PTA活動に消えてしまうのは困ったものです。

仕事の繁忙期とPTA活動が重なってしまった場合などは、「下の子の保育園での行事がある」「子どもを見てくれる人がいない」などという理由で、たまには欠席してみるのも無理なくPTA活動を続けるポイントかもしれません。

また、Bさんの旦那さんのようにPTA活動への考え方を少しだけ変えてみることで、活動を楽しんで行えるようになる場合もあります。

忙しない時代にのしかかる「PTA活動」という負担は、共働き夫婦にとって永遠の課題となりそうですが、周りのPTA役員さんたちとトラブルにならないためにも「節度ある活動参加」を心がけていきたいものです。

広瀬 あゆみ