3. 加給年金額で、年金額はいくら変わるか
2級で、厚生年金に300月(25年)加入した場合を、試算しました。平均標準報酬額が25万円、35万円、45万円の3つの場合です(編集部の試算)。
- 平均標準報酬額25万円:報酬比例の年金額41万1075円、加給年金額ありで65万4875円
- 平均標準報酬額35万円:報酬比例の年金額57万5505円、加給年金額ありで81万9305円
- 平均標準報酬額45万円:報酬比例の年金額73万9935円、加給年金額ありで98万3735円
加給年金額は、平均標準報酬額にかかわらず、年24万3800円です。月に直すと、約2万円です。報酬比例の年金額が小さいほど、加給年金額の占める割合は大きくなります。
この試算は、平成15年4月以降の期間だけで、報酬比例の年金額を「平均標準報酬額×5.481÷1000×300月」で計算した、編集部の仮定です。再評価率などは反映していません。障害基礎年金も含んでいません。
4. 加給年金額が支給停止になる場合
日本年金機構のページには、次の場合は、配偶者加給年金額が支給停止されると書かれています。
- 配偶者が、老齢厚生年金(被保険者期間が20年以上など、一定の場合に限る)や、退職共済年金(組合員期間20年以上)を受け取る権利があるとき
- 配偶者が、障害年金を受けられる間
令和4年4月以降は、配偶者の老齢厚生年金などを実際に受け取っていなくても、受け取る権利がある場合は、支給停止されます。たとえば、配偶者が在職によって老齢厚生年金が止まっている場合も、加給年金額は支給停止されます。
届出が必要になる場合があるため、日本年金機構は、「ねんきんダイヤル」やお近くの年金事務所への問い合わせを案内しています。配偶者が65歳になったときの扱いは、日本年金機構の案内に記載がないため、年金事務所で確認してください。
5. 請求のときに出す書類
日本年金機構の「障害厚生年金を受けられるとき」には、年金請求書に付ける書類として、次のものが書かれています。
- 配偶者の収入が確認できる書類(所得証明書、課税(非課税)証明書、源泉徴収票など。生計維持関係の確認のため)
- 世帯全員の住民票の写し(請求者との生計維持関係を確認するため)
子の加算額の対象になる子が3人以上いる場合は、3人目以降を別紙様式に書いて、年金請求書とあわせて出します。
6. 加給年金額を確かめる前に、確認しておきたいこと
- 加給年金額は、1級・2級の障害厚生年金に加算される。3級には、ページに加給年金額の記載がない
- 対象の配偶者は、生計を維持されている65歳未満の人。配偶者の老齢年金や障害年金の受給状況で、支給停止になる場合がある
- 配偶者が65歳になったときの扱いや、届出の名称・提出先は、日本年金機構の案内に記載がない。年金事務所で確認する
- 実際の年金額は、加入期間や平均標準報酬額、障害の等級で変わる。ねんきんダイヤルや年金事務所で確認する
7. まとめ
日本年金機構によると、障害厚生年金の1級・2級には、生計を維持されている65歳未満の配偶者がいるときに、配偶者の加給年金額(令和8年度は24万3800円)が加算されます。3級には、加給年金額の記載がありません。
2級で300月加入、平均標準報酬額が35万円の場合、報酬比例の年金額は57万5505円で、加給年金額ありだと81万9305円になる計算です(編集部の試算)。配偶者が老齢厚生年金を受け取る権利があるときなどは、支給停止されます。
まずは、配偶者の年齢と、年金の受給状況を確認してみましょう。そのうえで、加給年金額が加算されるかや、届出の手続きは、年金事務所で確認してみてください。
参考資料
和田 直子