4. 請求のときに確認される書類と、事実婚の場合の注意
事実婚の場合、請求に使う書類のうち、とくに確認したいのは、生計を同じくしていたことを示す書類です。日本年金機構の「遺族年金の請求手続きのご案内」(2025年11月4日版)を見ていきます。
案内には、年金請求書に付ける「生計維持関係に関する申立書」の記入例も載っています。死亡当時、請求者が亡くなった人と生計を同じくしていたか、年収が850万円未満かを書きます。同居の事実を明らかにする、世帯全員の住民票が必要になると書かれています。
4.1 事実婚の関係を確認する書類は、資料に記載がない
ガイドと請求手続きのご案内には、事実婚の関係をどのような書類で確認するかは書かれていません。別居している場合や、法律上の配偶者がいる場合の扱いも、資料には記載がありません。
日本年金機構のページによると、遺族厚生年金の請求先は年金事務所や街角の年金相談センター、遺族基礎年金の請求先は市区町村役場です。事実婚の場合は、請求する前に、年金事務所で必要な書類を聞いておくことをおすすめします。
5. 事実婚で受け取れるかの判定チャート
ここまでの条件を、チャートにまとめました。請求する前の、確認の目安にしてください。
3つの質問のうち、事実婚で迷いやすいのは、1つ目と2つ目です。事実婚と認められるかどうかの基準は、資料に書かれておらず、年金事務所が確認します。
2つ目の「生計を同じくしていた」かどうかは、同居の事実のほか、別居している場合の仕送りや、健康保険の被扶養者であったかなどから判断されます。
6. 請求の前に、確認しておきたいこと
- この記事は、日本年金機構の「遺族年金ガイド」と「遺族年金の請求手続きのご案内」にもとづいています。事実婚と認められるかの判断や、必要な書類は、年金事務所が個別に判断します
- 連れ子がいる場合は、亡くなった人との養子縁組の有無を、戸籍などで確認しておきましょう
- 寡婦年金は妻が対象で、婚姻関係(事実婚を含む)が10年以上続いていることが条件です。夫(事実婚のパートナー)の保険料の納付状況も確認が必要です
7. まとめ
日本年金機構の「遺族年金ガイド」によると、事実婚(内縁)の配偶者も、遺族年金の「配偶者」に含まれます。寡婦年金は、事実婚を含む婚姻関係が10年以上続いた妻が、60歳から65歳になるまで受け取れる年金です。
受け取るには、亡くなった人に生計を維持されていたことなどの要件があります。養子縁組をしていない連れ子は、遺族年金の「子」に含まれません。
まずは、亡くなった人との同居や仕送りなどの事実を示せるものを整理してみましょう。そのうえで、必要な書類や、事実婚の認定については、年金事務所で確認してみてください。
参考資料
和田 直子