3. 含み損の投資信託を売ったら、NISAの枠はどうなる?

値下がりした投資信託をNISA口座で売却した場合、使っていた非課税の枠がどれだけ戻るのかも気になるところです。

含み損で売ったら、NISAの枠はいくら戻る?3/3

含み損で売ったら、NISAの枠はいくら戻る?

出所:金融庁「NISA特設ウェブサイト よくある質問」、国税庁「No.1535 NISA制度」をもとにLIMO編集部作成

3.1 戻るのは売った金額ではなく、買った金額(簿価)分

NISAの非課税保有限度額(1800万円、うち成長投資枠1200万円)は、買付け残高(簿価残高)で管理されます。NISA口座内の商品を売却した場合、その商品の簿価分の非課税枠を、翌年以降に再利用できます。

たとえば、100万円で買った投資信託が70万円に値下がりして売却した場合、翌年以降に戻る枠は、売却した70万円ではなく、買ったときの100万円分です。

3.2 売る前に知っておきたい2つのこと

含み損の投資信託を売るかどうか迷ったときは、次の2点を押さえておきたいところです。

  • 枠が戻るのは翌年以降:売った年のうちに買い直しても、その年の年間投資枠(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)を使う
  • 損失を確定させても税金は変わらない:売却して損失を確定させても、税金が戻ったり安くなったりはしない

NISAは、長期で保有して利益が出たときに非課税の効果が生きる仕組みです。一時的な値下がりで売るかどうかは、税金ではなく、そのお金をいつ使う予定なのか、保有している商品を今後も持ち続けたいかどうかで考えることが大切です。

4. まとめ:NISAの損失は税金の計算に使えない。口座の使い分けを確認しよう

NISA口座で出た損失はないものとみなされ、特定口座の利益や配当と損益通算することも、翌年以後に繰り越すこともできません。特定口座で30万円の利益、NISA口座で30万円の損失が出た場合、6万945円の税金がかかります。

また、含み損で売却した場合でも、翌年以降に戻るNISAの枠は買ったときの金額(簿価)分です。損失を確定させても、税金の面でのメリットはありません。

NISA口座と特定口座の両方を使っている方は、どの商品をどちらの口座で持っているのかを一度確認し、値動きが大きい商品を売る前には、口座ごとの税金の違いを思い出してみてはいかがでしょうか。

参考資料

和田 直子