11月になると多くの小学校では学習発表会が行われます。保護者世代の頃は劇が中心の学芸会の実施が主流でしたが、現在は合唱や合奏、劇や朗読会など様々な形で会が実施されています。しかも、どの役になるかは、主役から脇役まで全てオーディションを通して決まるシステムになっているなど、昔とは大きく変化しているのです。
そこで今回は、オーディション主体の最近の学習発表会の実情をお伝えしていきます。
どんな役を希望していてもオーディションを受ける
劇の役決めというと、かつては一部の児童が主役や準主役を希望し、希望者が複数いるとクジ引きやじゃんけんで決定するのが昭和流でした。毎年端役をしていた筆者は他人事のように、主役決めの成り行きを見守っていのを覚えています。ある年は、主役を嫌がるクラスの優等生を、先生が無理やり主役に決めていたこともありました。
しかし、現在は主役から脇役、そして目立たない端役でもオーディションが実施されています。筆者の子供達が通う小学校を例にすると、なるべく児童全員がいわゆる「楽な役」を第一希望にしないよう先生から指示されています。
そして、役に応じてオーディションを行う日が設定され、放課後、音楽室などで学年の担任の先生全員を前にして指定されたセリフを披露します。合否は数日後に学年全員を集めて口頭で発表されますが、どの子も当日までドキドキしながら過ごしているようです。
希望していない役を任されることも
人気の高い役のオーディションは落ちる可能性が高く、受ける子供もそれを理解しています。惜しくも望んだ役に不合格となった場合、第二希望や第三希望に回されるのが理想的ですが、現実はそう上手くいきません。先に行ったオーディションで既に配役が決定していることがほとんどなのです。必然的に希望していない役や人気のない役に振り分けられることになります。
筆者の子供達も、人気のある役を第一希望にしたものの不合格となり、予想もしていなかった役になったことがありました。本人は、本当にやりたい気持ちを持ってオーディションに臨みます。残念ながら落ちてしまい、その上一番嫌がっていた役に当たった年は、学習発表会へのモチベーションが下がっているのが手に取るようにわかります。
そばで見ていると何とも言えない気持ちになりますが、そういう時は、「自分の思うようにはいかないこともある」「与えられた役を頑張って来年またチャレンジしよう」と励ましています。
オーディションの合否の基準は明らかではない
今の学習発表会の役決めで主流となっているオーディションですが、合否の基準はハッキリとしていません。オーディション後に先生達が話し合い、決定しています。