3. 退職したらどうなる?入社前に確認したい規程のポイント

退職時の注意点と、入社前の確認の順序3/4

退職時の注意点と、入社前の確認の順序。返還義務は本人にあり、退職後の支援や過去の支給額の返還は企業の規程による。求人票、説明会、就業規則の順に確認する

出所:日本学生支援機構(JASSO)「企業等の奨学金返還支援(代理返還)制度」をもとにLIMO編集部作成

奨学金の返還義務は、最初から最後まで従業員本人にあります。企業はあくまで本人に代わって送金しているため、退職後も支援が続くのか、いつまで続くのかは、企業の規程によって異なります。支援が終われば、以後は本人が自分で返還していくことになります。

また、退職時に過去に支給された支援額の返還を求める規程があるかどうかも、企業ごとに異なります。規程の内容に不安がある場合は、入社前に人事担当者へ確認し、必要に応じて専門家に相談してください。

制度の価値を見極めるには、「月○万円支援」という金額だけでなく、次の順序で条件を確認することをおすすめします。

  1. 求人票や企業の採用ページで、制度の有無を確認する。
  2. 会社説明会や面談で、具体的な適用条件を質問する。
  3. 入社前や内定後に、就業規則・社内規程の該当条文(対象者・支給期間・退職時の扱い)を確認する。

4. なぜ企業は肩代わりするのか?企業側の事情

企業が従業員の奨学金返還を支援する背景には、企業側の事情もあります。経団連タイムズ(2026年8月6日号)によると、この制度は人材の確保・定着に資するものとして、導入企業から高い評価を得ているとされています。同記事は、利用する企業数や支援者数が大きく伸びている一方で、業種や地域によって活用状況に偏りがあるとも伝えています。

5. まとめ:入社を決める前に確認したい社内規程のチェックポイント

入社前に確認したい6つのチェックポイント4/4

入社前に確認したい6つのチェックポイント。対象者、支給額、支給期間・上限、退職時の扱い、支給方式、返還計画との整合性

出所:日本学生支援機構(JASSO)「企業等の奨学金返還支援(代理返還)制度」をもとにLIMO編集部作成

代理返還制度のある企業を検討するときは、表面的な支援金額だけで判断せず、社内規程の細部まで確認することが大切です。入社前にチェックしておきたい6つのポイントをまとめます。

  1. 対象者:雇用形態(正社員等)、年齢制限、対象となる奨学金の種類を満たしているか。
  2. 支給額:全額支援なのか、一部補助(月額上限あり)なのか。
  3. 支給期間・上限:いつまで(勤続年数・年齢)、累計いくらまで支援されるか。
  4. 退職時の扱い:退職後の支援の扱いと、過去の支給分の返還を求める規定がないか。
  5. 支給方式:給与とは別の「直接送金」か、「手当支給」や「給与に代えての送金」になっていないか。
  6. 返還計画との整合性:自分の残債や月々の返還計画と、制度の内容が合っているか。

※税制・社会保険料・就業規則・法律に関わる具体的な扱いは、個別の状況や制度の見直しによって異なります。本記事は一般的な情報の紹介であり、個別の判断を示すものではありません。勤務先の人事・経理担当者、税務署、年金事務所、税理士・社会保険労務士などの専門家にご確認ください。

参考資料