PayPayフリマ」がスタートしたのは、10月7日でした。1500万のユーザーを抱えるスマートフォン決済サービス「PayPay」を冠にしていることもあって、どれだけのポテンシャルがあるのか、「メルカリ」に勝てるのかと、筆者自身も楽しみにしていました。あれから1カ月。PayPayフリマはどうなっているのでしょう。課題や今後の展望を見ていきます。

PayPayフリマ、約1カ月で100万ダウンロード突破

PayPayフリマがリリースされて、11月7日で1カ月が経ちました。PayPayフリマのホームページを見ると、100万ダウンロードを突破したことがわかります。記念の100円引きになるクーポンが出ていました。

ところで、約1カ月で100万ダウンロードは、速いのでしょうか。メルカリと比較をしてみると、メルカリが100万ダウンロードを突破したのは、リリースから約5カ月後でした。メルカリは、2013年7月2日にAndroid版、同年7月23日にiOS版がリリースされ、100万ダウンロード突破したのは2013年12月です。(※1)

これと比べると、PayPayフリマの1カ月というのはハイスピードと言えそうですね。ただ、もともと「ヤフオク!」やPayPayという土台がありましたし、メルカリ、「ラクマ」という競合がフリマ市場を構築してきたこともあるので、トータルで考えると必ずしも「すごく速い!」とは言えないかもしれません。

メルカリとの大きな違い

PayPayフリマはメルカリを意識していることもあり、メルカリとの差別化を図ろうとしています。個人的に「ここは違うんだな」と思った点は2つです。

「値引きありき」のシステム

PayPayフリマには「価格の相談」という機能があります。簡単に言えば、値下げ交渉ですね。もともとヤフオク!にも値下げ交渉のシステムはありました。でも、出品者が値下げ交渉を受け付けるように設定することが前提でした。メルカリの場合も、現在は「オファー機能」がありますよね。ただ、使えるカテゴリは限られています。

また、メルカリでも値下げ交渉が頻繁に行われますが、これ自体は公式なルールではありません。言い方は悪いですが、ユーザー同士が勝手に行っていることでもあるのです。

一方、PayPayフリマでは、全ての商品で値段の相談が可能です。しかも、PayPayフリマが公式に認めているので、交渉のシステムもしっかり構築されています。また販売価格の80%以下の相談は受け付けないので、いきなり半額にしてなど、無謀な交渉もありません。フリマアプリがある以上、値下げ交渉があると考えての策と言えそうです。

全ての商品において送料は出品者負担

PayPayフリマでは、全ての商品において送料は出品者が負担することになっています。メルカリの場合は、出品者負担が多いものの、購入者負担の着払いで送ることもできるので、送料に関してはメルカリとの違いが出てきました。また、PayPayフリマが用意した「ヤフネコ!パック」と「おてがる版(ゆうパケット・ゆうパック)」以外で送ることはできません。

例えば、郵便局のレターパックや定形外郵便は使えないということです。全ての商品において配送状況の確認ができて、当然ながら匿名配送が使えるという点で、ユーザーの安全性を考えていることがわかります。

PayPayフリマの課題