3. 高齢者の特殊詐欺の被害はどれくらい?令和7年は65歳以上が全体の51.3%、預貯金詐欺とキャッシュカード詐欺盗では約99%

特殊詐欺の手口別にみた65歳以上の被害者の割合(令和7年)3/4

特殊詐欺の手口別にみた65歳以上の被害者の割合(令和7年)

出所:警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」をもとにLIMO編集部作成

警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」によると、令和7年の特殊詐欺は認知件数が2万7832件、被害額が約1423.1億円でした。どちらも前の年を大きく上回っています。

このうち65歳以上の高齢者の被害は1万4273件、被害額は約841.1億円です。法人被害を除いた件数に占める割合は51.3%、被害額に占める割合は59.2%でした。件数では約5割ですが、被害額では約6割を占めています。

高齢者の割合は、手口によって大きく違います。

  • 【預貯金詐欺】98.8%
  • 【キャッシュカード詐欺盗】98.9%
  • 【還付金詐欺】81.1%
  • 【オレオレ詐欺】45.4%
  • 【架空料金請求詐欺】33.2%
  • 【特殊詐欺全体】51.3%

※割合は、警察庁の同資料の「高齢被害者の割合(法人被害を除く)」です。

預金やキャッシュカードそのものを狙う手口では、被害に遭った人のほぼすべてが65歳以上でした。一方で、特殊詐欺全体に占める高齢者の割合は前の年より14.0ポイント下がっています。警察庁は、オレオレ詐欺や架空料金請求詐欺で20代・30代の若い年代にも被害が広がったことを、主な理由に挙げています。

4. 使い道を聞かれるのは詐欺を防ぐため?警察の要請で、金融機関は高額の現金を持ち帰る人に声をかけている

金融庁「振り込め詐欺等の撲滅に向けた注意喚起活動について」(2014年)では、金融機関が警察からの要請にもとづき、高額の振込をする人や高額の現金を持ち帰る人への声かけと、最寄りの警察署への連絡などに取り組んでいると説明しています。

この声かけは、200万円を超えるかどうかとは別の取り組みです。警察庁の統計を見ると、令和7年に被害金を渡した形のうち、現金を直接渡した「現金手交型」は4058件で、全体の14.6%でした。キャッシュカードを渡したり盗まれたりした形も11.3%あります。

犯人側も、この声かけのことは知っています。警察庁のオレオレ詐欺の解説には、銀行で引き出しの理由を聞かれたらリフォーム代などと答えるよう、犯人があらかじめ指示してくる例が挙げられています。

ATMについては、全国銀行協会が、ふだん高額の振込をしない人はATMの1日あたりの利用限度額を低く設定しておくことも検討するよう呼びかけています。銀行のATMでは、携帯電話で話しながら操作している利用者に職員が声をかけているそうです。