3. 学費で見落としやすい点が3つある

ここまでの合計額には含まれにくい点を、各大学の資料から3つ整理しました。

3.1 年次によって金額が変わる

慶應義塾大学の資料には、入学金以外の費用は在学中に変動する可能性があると記載されています。早稲田大学の一覧表にも、2年次以降の実験実習料や諸会費は、徴収年度の前年度に決めると書かれています。

このため、初年度の金額から計算した4年間の合計は、あくまで目安になります。

3.2 学科によって実験実習料が違う

同じ大学でも、学科によって実験実習料は異なります。明治大学の理工学部は、数学科が年7万円、そのほかの学科が年9万円です。早稲田大学の理工3学部は、学科によって年3万円から5万円の幅があります。

慶應義塾大学の理工学部は年12万円です。実験実習料は大学や学科によって年3万円から12万円ほどの開きがあります。

早稲田大学の一覧表には、初年度に実験実習料の設定がない場合でも、2年目以降に別途徴収されることがあるとの注記もあります。

3.3 卒業時の会費や教材費が別にかかる

卒業生向けの会費を、最終年度に納める大学もあります。

  • 早稲田大学:校友会費4万円(最終年度の最終学期に納入、卒業後10年分)
  • 明治大学:校友会費3万円(4年次に徴収)

慶應義塾大学の資料には、履修科目によって教科書代や実験費、各種講座費などが別途かかる場合があるとも書かれています。

4. 私立の理工農系の学生も対象になる国の修学支援新制度とは

文部科学省によると、国の修学支援新制度は、授業料・入学金の減免と、返還不要の給付型奨学金を組み合わせた制度です。世帯収入などに応じて支援額が決まります。

2024年4月からは、私立の理工農系の学部・学科に通う中間層(世帯年収約600万円程度まで)にも対象が広がりました。2025年4月からは、多子世帯の学生が所得制限なく、一定額まで授業料・入学金の減免対象になっています。

対象となる学部・学科や支援の内容、申請の手続きは、文部科学省の特設サイトとガイドで確認できます。

5. まとめにかえて|学費は「4年間の合計」で比べよう

2027年度入学者向けの学費表で比べると、国立大学の標準額は4年間で242万5200円、早慶明の理工系は約700万円から777万円でした。国立大学との差は、約458万円から535万円です。

学費は大学や学科、年次によって変わります。進学先を考えるときは、初年度の金額だけでなく、4年間の合計や実験実習料、卒業時の会費まで含めて、志望校の最新の公表資料で確認しておくと安心です。

参考資料

池上 翠