6. 貸したお金の遅延損害金は?60万円なら1年で約1万8000円
返済の期限を過ぎたお金には、遅延損害金を求めることができます。利率の取り決めがない場合は法定利率によります。法務省「令和8年4月1日以降の法定利率について」によると、2029年3月31日までの法定利率は年3%です。
- 【60万円・1年】約1万8000円
- 【60万円・半年】約9000円
- 【30万円・1年】約9000円
※試算の前提:利率の取り決めがなく、2020年4月1日以後に返済期限を過ぎた場合の法定利率(年3%)で単利計算した場合。
ただし少額訴訟では、分割払いや支払いの猶予とあわせて、遅延損害金の支払いを免除する判決がされることもあります。また、訴訟費用は原則として負けた側が負担するため、判決で相手の負担とされることもあります。
7. 少額訴訟を申し立てる前に確認しておきたいこと
60万円の請求で裁判所に納める手数料は、書面で8500円です。ただし、この金額は取り戻せる額を約束するものではありません。申し立てる前に、次の2点を確かめておきましょう。
1点目は、貸したことを示す記録です。少額訴訟は、証拠をその場で調べる手続です。借用書や振込の記録、返済を求めたメッセージなど、手元に残っているものを審理の日までにそろえておきましょう。
2点目は、相手の勤め先や口座が分かるかどうかです。判決が出ても相手が払わないときは差押えを申し立てますが、相手に給料や預金がなければ回収できません。手続を選ぶ前に確かめておきましょう。
2点をそろえたうえで、少額訴訟と支払督促のどちらが合うかを選びましょう。相手が争いそうなときは、支払督促に異議が出ると通常の訴訟に移る点も踏まえておくと安心です。
8. まとめ
貸したお金を少額訴訟で請求する場合、2026年5月21日以後の手数料は60万円で書面8500円、オンライン7400円です。支払督促なら、手数料は書面で約2800円、オンラインで約1900円低くなりますが、相手が争えば通常の訴訟に移ります。
判決を得ても回収できるとは限らないため、証拠の整理と相手の財産の見通しが欠かせません。手続の選び方に迷うときは、簡易裁判所の窓口や法テラスに相談する方法もあります。
※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。実際の手数料や手続は、申立先の簡易裁判所でご確認ください。
※本記事は制度の一般的な解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。具体的な対応は、簡易裁判所の窓口や法テラス、弁護士・司法書士にご相談ください。