株式市場の振り返り-大幅高で3日続伸、新興市場も好調持続

2016年4月14日(火)の東京株式市場は大幅高となる3日続伸となりました。日経平均株価は前日比+3.2%の上昇、TOPIXは+2.9%の上昇で引けています。また、東証マザーズ総合指数も+2.2%上昇して続伸となりました。新興市場も引き続き好調です。

日経平均株価は、海外市場の株価上昇や円安進行を受けて、前日比+248円の大幅高で寄り付きました。その後、上値がやや重い場面もありましたが、上昇基調が続いた結果、終値は+529円高の16,911円となる高値引けとなっています。なお、日経平均株価が前日比+3%超上昇したのは3月2日以来となります。また、終値ベースで2日続けて+2%超の上昇となったのは、1年4か月ぶり(2014年12月18日~19日以来)でした。

東証1部で上昇したのは1,797銘柄、値下がり125銘柄、変わらず29銘柄でした。東証1部の出来高は25億273万株、売買代金は2兆6,689億円(概算)となっています。株価指数が大幅上昇した割には、まだ薄商いですが、徐々に増え始めているとも言えましょう。

セクター動向と主要銘柄の動き-連日で33業種全てが上昇、主力セクターへの買いは限定的

東証1部は前日に続き33業種全てが上昇しました。上昇率上位は、保険+4.7%、鉄鋼+4.6%、ガラス・土石+4.4%、パルプ・紙+4.2%、陸運+4.1%、不動産+4.0%、電力・ガス+3.6%などでした。一方、上昇率が小さかったのは、その他金融+1.6%、石油・石炭+1.7%、繊維+1.7%などでした。不動産を除くと、大型セクターが思ったほど上昇していないことがわかります。割安感がある業種や、出遅れ感が強い業種に買い戻しが入った可能性があると言えましょう。

個別銘柄では、全面高に近い状況の中、三井不動産(8801)、野村ホールディングス(8604)、パナソニック(6752)、ファナック(6954)、電通(4324)、任天堂(7974)、マツダ(7261)などの上昇が目立ちました。一方、数少ない下落銘柄の中では、決算内容が今一つだったローソン(2651)が値を下げ、前日まで上昇が続いていた小野薬品工業(4528)が反落しています。

本日のポイントと注目テーマと関連業種-株価指数は高値警戒圏を意識し始める水準、割安感のある主力株に注目

14日も東京株式市場は大幅高となりました。出来高や売買代金を見る限り、まだ本格的な“日本株買い”にはなっていないと見られますが、潮目は近付いているかもしれません。1つ気になるのは、主力セクターがさほど買われていないことです。14日の上昇が、割安感のある業種の買戻しだとすると、この先は少し心配になります。

それにしても、相場が急激に変わりつつあるように見えます。天気に関する諺の1つに『春に三日の晴れなし』というのがあります。これは、その名の通り、春の天候は目まぐるしく変わるという意味です。1週間前、日経平均株価は、アベノミクス始動後では初めての7日続落となりました。それから約1週間(営業日ベースでは6日間)、その間に1日だけ下落した日がありますが、7日続落となった日からの上昇率は+7.6%に上っています(14日の終値)。これは、大幅上昇を喜ぶよりも、これからの反動下落を懸念すべき水準にあります。明日(15日)から調整が始まるかどうかはわかりませんが、上値を追う際には慎重に行きましょう。

ところで、前述した『春に三日の晴れなし』には、4月の天候がめまぐるしく変わることを示す他に、もう1つ意味があります。それは、天候が目まぐるしく変わりながら春が深まって夏を迎える、という意味です。株式相場も、今回のような大きな変動を繰り返しながら、年初からの低迷を脱して、安定した状況に向かうのでしょうか。

そのような中、週末のG20財務相会議等を控えた15日(金)は、高値警戒感も出始めると見られるため、様子見スタンスが強まる可能性があります。無理な売買は控えたいところですが、割安感が強い主力株は引き続き注目です。円高一服が顕著になったことを背景に、自動車セクター、精密機器セクター、家電セクターに加え、不動産セクターにも目を向けましょう。また、良くも悪くも、決算サプライズが出ている小売セクターも要注意です。

【2016年4 月14日 投信1編集部】

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LIMO編集部