子どもが生まれると、生活はどうしても子どもが中心になります。それでも子どもと暮らしているからこそ、親として一緒に楽しめることがあることを忘れてはいけないでしょう。子どもがいなければ経験できないこともたくさんありますし、今までと違った自分、今まで忘れていた自分を発見できるいい機会にもなるのです。
自然が親を子ども時代にいざなう
ニュージーランドでは、町なかであっても、大小さまざまな公園があります。公園内の緑に囲まれた静かな小道は、ベビーカーを押しての散歩にぴったりです。海岸線に近い町であれば、海沿いの遊歩道やビーチもしかり。紫外線対策をして、赤ちゃんをスリングに入れ、お出かけします。
筆者は、出産が夏だったせいもあり、退院後すぐに生まれたての娘を連れて、公園やビーチを散歩しました。これはニュージーランドでは珍しいことではありません。多くの親が新生児と一緒に、外の空気を吸いに、人が少ない公園や海岸をのんびり散歩します。
頭上で鳥が鳴いていたり、波が打ち寄せていたり、赤ちゃんと一緒に、自然の音に耳を傾けます。まだ目があまり見えないので、きれいな花が咲いていれば「赤い花がきれいだね」、遠くに船が見えれば「あのお船はどこまで行くのかな?」などと話しかけます。歌を歌って聞かせることもあります。
子どもが少し大きくなると、森で草笛を吹いたり、ササ舟を作って小川に流したり、お花の香りをかいでみたり。ビーチでは貝殻を拾ったり、砂遊びをしたり、波と追いかけっこをしたり。親も一緒に自然と交わりながら、遊びます。
自然は今も昔も変わりません。自然相手に子どもの遊びをしていると、ふと自分の子ども時代に戻るものです。匂い、音、情景、周りにいた人……。「この子も将来親になった時、同じように子ども時代を思い出してくれるかしら」。そんな思いもわいてきます。
エンジョイしているのは、実は親?
公園やビーチで、親子だけで遊ぶだけでなく、ニュージーランドでは子どものためのアクティビティがいろいろ催されています。「子ども向け」とはいえ、親も結構楽しく過ごせるものです。時には親の方がエンジョイしているなんてこともあります。