たとえば、「メインリー・ミュージック」と呼ばれるお遊戯と歌の会。『Incy Wincy Spider』などの、昔からある童謡と、最近作られた幼児用のお遊戯の両方を、親も子も歌って踊ります。

最初は恥ずかしがっていた親も、しばらくするうちに慣れ、ノリノリで踊ります。筆者もその口でした。もともとシャイなタイプな自分が周りを気にすることなく踊れるなんて、やればできるものだなぁと自らの違った一面を発見できました。

子どもたちは一緒に楽しんでいる母親や父親の姿を見て、とてもうれしそう。いつも大はしゃぎで、会は終わります。

図書館では読み聞かせの会があります。季節や行事に合った本を、司書が読んでくれます。親が選ぶ本と違いますし、読み方も違うところがいいところです。数冊読んだ後は、工作の時間。読んでもらったばかりの本にちなんだものを作ります。

子どもたちが主に取り組みますが、なかなか集中力が続かず、親が仕上げることも少なくありません。完成させなくても構わないのですが、ついつい熱中して作る親の姿をよく見かけます。日常生活上、あまり工作などやらない大人にとって、単純作業に無心に打ち込める機会は貴重なのかもしれません。そして親同士で出来上がりを見せ合い、盛り上がったりします。

また、「キンディー・ジム」も人気です。体育館内で「体操のお兄さん・お姉さん」の指導の下、運動します。大きなトランポリン、吊り輪、平均台、鉄棒、跳び箱、障害物、ボール、フラフープなどがあり、毎回違った組み合わせで違う運動ができるようセッティングされています。よく工夫が凝らされていて、毎回感心します。

指導後は、自分の好きな運動用具を使って、自由に遊びます。あっちでもこっちでも「お母さん・お父さん、見て見て!」という声が。子どもが日に日にぐんぐん育っていくのに、親は目を細めるばかりです。

親子各々に楽しめる上、安価

親にも子にも大好評のアクティビティの費用はいかに? と気になるところですが、これもまたうれしい金額なのです。どれもだいたい週に1度の頻度で行われ、費用は無料、もしくは2NZドル~3.50NZドル(約140円〜約240円)ととても安価。欠席したら払う必要はありません。

なので、曜日ごとに違うアクティビティの予定を気軽に入れることができます。1週間の外出スケジュールを決め、それに沿って生活し、子どものルーティンを確立してあげます。ルーティンは安心感や自信につながり、子どもにとって大切だといわれています。

親は親で、子どもを通して、子ども時代を再体験したり、新しい自分を発見したりできます。こう考えると、子ども中心の生活もそう悪くないなぁと思えるのではないでしょうか。

クローディアー 真理