親の頭を悩ませる問題のひとつに、「子どもの進路」が挙げられます。とくにワンオペ状態で子どもに向き合っている妻は、お金のやりくりや教育方針を相談する相手がおらず、心細い状況に陥りがち。「もっと早くから情報収集を始めておけば…」「今後の教育をどう進めていけばいいのか分からない」と困らないためにも、お子さんの進路について改めて考えてみましょう。

奨学金を考えるなら早いタイミングで

子供の急な進路変更などにより、大学の学費がすべて用意できない場合もあることでしょう。そんなときに心強いのが、奨学金の存在。返済不要の「給付型」と返済が必要な「貸与型」があり、給付型は住民税非課税やそれに準ずる世帯のみが対象となります。

貸与型は利息の付かない「第一種」と利息が付く「第二種」に分けられており、前者は所得制限と高校1~2年の評定平均によって判断されるシステム。また、大学入学後すぐに奨学金を利用するには、高校3年生の5~6月に予約しなければなりません。

そのため、「夫婦で話し合う時間がないから、奨学金のことは受験前になってから考えよう」と思っていると、周囲に遅れをとってしまう可能性があります。夫婦の片方しか家計の状況を把握していない場合は、子どもの進学に対する意志に加え「用意できる学費」を含めた状況の共有をしておきましょう。

教育格差はどこで生まれる?

ワンオペ妻が子どもの勉強に付きっきりで対応したり、自力で情報を集めたりするのは難しいもの。受験対策や情報収集を目的として、塾に通わせようと考えている家庭も多いのではないでしょうか。

しかし、塾に通って学力が伸びる子もいれば、そうでない子も存在します。両者の違いは、一体どこにあるのでしょうか。学習塾で勤める方々に、その違いを聞いてみました。

・「自主的に勉強している子は、よく『パパが褒めてくれた』『ママが応援してくれたから頑張れた』と嬉しそうに話しています。親からの愛情こそが、子どものやる気を向上させるのでしょう」

・「博物館や美術館など、新しい知識に出会える場に連れて行っている家庭の子は、学力が伸びやすい傾向があります。親が子供と同じ目線に立ち、一緒に学ぼうとすることが大切なのだと感じますね」

・「よく『これだけお金をかけたんだから…』と言っている保護者を見かけますが、費やしたお金と成績が必ずしも比例するわけではありません。進路について親子で悩んだり、参考書を一緒に選んだりと、親が勉強や進路に関わってあげることが重要です」

「お金」ではなく「親からの愛情」が、子どもの学力を伸ばす材料になるようです。忙しいワンオペ状態の中でも、その日の授業の感想や進路に対する気持ちを聞く時間を用意してあげるといいでしょう。

多忙な夫とワンオペ妻が子どもの進路を話し合うためのヒント