10月の消費税増税に伴い、住宅ローン控除について、制度の拡充が行われました。住宅ローン控除の拡充については、以下の記事をご参照ください。

参考記事:『消費増税直後の住宅購入は避けるべき? 要チェックの優遇制度改正・新設とは

この時期になると、年末調整や確定申告に関するお問合せが増えてきます。今回は、住宅ローン控除にかかわる手続きについて整理していきましょう。

初年度の住宅ローン控除は確定申告で

今年住宅購入をした方が住宅ローン控除を受けるためには、初年度の確定申告が必須となります。

確定申告の申告期限は、原則2月16日から3月15日までの1か月間です。期日ギリギリの申告だと税務署が込み合いますので、なるべく早めの申告をおススメします。なお、2月16日より前、1月から申告することも可能です。

会社員など給与所得者の場合、2年目以降になると、確定申告する必要はなくなり、会社の年末調整で手続きが完了するようになります。なお、自営業の方などは年末調整がありませんので、引き続き確定申告を行う必要があります。

2年目以降の住宅ローン控除は年末調整で

初年度に確定申告を行うと、「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等控除申告書」兼「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金特別控除証明書」という書類が税務署から送られてきます。

これまでは、最大申告回数が10年間でしたので、初年度を除いた9年分が送られてきましたが、消費税増税に伴う改訂により、最大申告回数が13回になったため、それに合わせて12年分になるのではと思われます。

一度にまとめて送付されますので、紛失しないように注意してください。もし紛失してしまった場合は、税務署で再交付の手続きができますので、すぐに問合せしてください。

年末調整に必要なのは、この「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等控除申告書」兼「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金特別控除証明書」と、「住宅ローン残高証明書」の2つです。

住宅ローン残高証明書は、10月上旬から中旬に借入れした金融機関から郵送で送られてきます。万が一紛失してしまった場合は、金融機関で再発行してもらいましょう。

2年目以降の住宅ローン控除の年末調整を忘れてしまったら

次に、2年目以降に住宅ローン控除を受けるための年末調整を忘れてしまった場合について見ていきます。

年末調整を忘れてしまった場合の対処法は2つです。

対処1:勤務先で再度年末調整をしてもらう

まず一つ目の対処としては、勤務先で年末調整の修正をしてもらうことです。一般的には、10月末から11月の頭にかけて書類を提出する会社が多いですが、法的には1月末までは年末調整の修正をしてもらうことができます。

必要な書類は前述した「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等控除申告書」兼「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金特別控除証明書」と、住宅ローン残高証明書の2つです。

ただし、年末調整の修正について、勤務先の事情によっては対応不可のところもあるかもしれないので、担当部署にお問い合わせください。修正期限である1月末までに実施する必要があるので注意しましょう。

対処2:自分で確定申告をする

勤務先で年末調整の修正ができない場合は、自分で確定申告をすることになります。

申告期限は、初年度と同様、翌年の2月16日から3月15日の間で、必要な書類は、「源泉徴収票」と「住宅ローン残高証明書」です。年末調整の際に必要な「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等控除申告書」兼「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金特別控除証明書」は必要なくなります。

住宅ローン控除を忘れてしまった場合の還付申告の期限は5年間