5. 【検証】試算から見えること:葬祭費・埋葬料の差を生むのは、住んでいた自治体と加入していた保険

試算では、葬祭費・埋葬料は葬儀1件あたり約121.5万円の約4.1%〜約5.8%でした。同じ国民健康保険でも、東京都大田区の7万円と大阪市の5万円では2万円違います。差を生むのは、葬儀の内容ではなく、亡くなった方が住んでいた自治体と、加入していた保険です。

金額の差よりも気をつけたいのは、期限の数え始めです。葬祭費は葬儀を行った日の翌日から、埋葬料と死亡一時金は死亡日の翌日から2年です。未支給年金は5年です。同じ「2年」でも、起点が違えば期限の日は変わります。

申請先も分かれています。葬祭費は亡くなった方が住んでいた区や市の窓口、埋葬料は協会けんぽの支部、死亡一時金は市区町村の窓口か年金事務所です。最初に、亡くなった方の資格確認書などで加入していた保険を確かめると、申請先が決まります。

会社の健康保険に本人として加入していて、退職して3か月以内に亡くなった方は、国民健康保険に切り替えていても、もとの健康保険から埋葬料が出ることがあります。その対象になるときは国民健康保険の葬祭費は出ないため、申請先を取り違えないようにしたいところです。

葬祭費・埋葬料は、葬儀代の多くを賄う給付ではありません。それでも、葬儀代の領収書などがあれば申請できる給付です。葬儀の見積もりや支払いの段階で、領収書の宛名を申請する方にしておくと、手続きを進めやすくなります。

6. まとめ

葬儀代の一部は、亡くなった方が加入していた健康保険から、葬祭費や埋葬料として支給されます。金額は東京都大田区で7万円、大阪市と協会けんぽで5万円で、葬儀1件あたり約121.5万円の約4.1%〜約5.8%にあたります。

申請期限はどちらも2年ですが、葬祭費は葬儀の翌日、埋葬料は死亡日の翌日から数えます。国民年金の死亡一時金や未支給年金も含め、加入していた保険と住んでいた自治体の窓口で、金額と期限を確かめておきましょう。

※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。葬祭費の金額や申請方法は自治体ごとに異なり、変わることがあります。実際の金額や必要書類は、亡くなった方が住んでいた市区町村や加入していた健康保険、年金事務所でご確認ください。

参考資料

池上 翠