家族の葬儀を終えると、葬儀代の支払いとあわせて「健康保険から何か出るのか」が気になる方も多いでしょう。亡くなった方が加入していた健康保険からは、葬祭費や埋葬料という名前で、葬儀代の一部にあたるお金が支給されます。

ただし、名前も金額も申請先も、亡くなった方が加入していた保険と、住んでいた自治体で変わります。いずれも申請して受け取るもので、期限を過ぎると受け取れなくなります。

ここでは、東京都大田区と大阪市の国民健康保険・後期高齢者医療、会社員などが加入する協会けんぽの3つを例に、一次資料で確かめた金額と申請期限を整理します。あわせて、葬儀1件あたりの金額に対して、葬祭費・埋葬料がどれくらいにあたるかを試算します。

※葬儀1件あたり約121.5万円は、経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」の2024年の葬儀業の売上高(6108億9900万円)を、取扱件数(50万2921件)で割った額です。

1. 葬祭費・埋葬料はいくら?東京都大田区は7万円、大阪市と協会けんぽは5万円

葬祭費・埋葬料は、亡くなった方が加入していた保険で名前が変わります。国民健康保険と後期高齢者医療では「葬祭費」、会社員などが加入する健康保険では「埋葬料」です。各自治体と全国健康保険協会(協会けんぽ)の案内によると、金額は次のとおりです。

  • 【東京都大田区・国民健康保険】葬祭費7万円(実際の葬儀費用にかかわらず一律)
  • 【東京都大田区・後期高齢者医療】葬祭費7万円(同上)
  • 【大阪市・国民健康保険】葬祭費5万円
  • 【大阪市・後期高齢者医療】葬祭費5万円
  • 【協会けんぽ・本人が亡くなったとき】埋葬料5万円(亡くなった方に生計を維持されていた方に支給)
  • 【協会けんぽ・扶養されていた家族が亡くなったとき】家族埋葬料5万円(被保険者に支給。協会けんぽの案内では「家族埋葬費」とも表記)

同じ後期高齢者医療でも、東京都と大阪府で金額が違います。東京都目黒区の案内では、7万円のうち5万円が東京都後期高齢者医療広域連合から、2万円が目黒区からの支給です。東京都の7万円には、区の上乗せ分が含まれている場合があります。

協会けんぽで、亡くなった方に生計を維持されていた方がいない場合は、実際に埋葬を行った方に「埋葬費」が支給されます。金額は、霊柩車代や火葬料などにかかった実費のうち5万円までです。

2. 葬儀代に対する葬祭費・埋葬料の割合は?1件あたり約121.5万円に対し、7万円で約5.8%、5万円で約4.1%

経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」によると、2024年の葬儀業の売上高は6108億9900万円、取扱件数は50万2921件でした。1件あたりにすると約121.5万円です。この額に対する葬祭費・埋葬料の割合を試算しました。

  • 【7万円(東京都大田区の国民健康保険・後期高齢者医療)】葬儀代の約5.8%。残りは約114.5万円
  • 【5万円(大阪市の国民健康保険・後期高齢者医療、協会けんぽの埋葬料)】葬儀代の約4.1%。残りは約116.5万円

※試算の前提:葬儀代は、経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」の2024年の葬儀業の売上高を取扱件数で割った約121.5万円としています。調査の対象は一定規模以上の葬儀業者で、実際の葬儀代は葬儀の形や地域によって変わります。

※同調査は2024年12月分で終了し、2025年1月分からは総務省「サービス産業動態統計調査」に統合されています。

葬祭費・埋葬料で賄えるのは、葬儀1件あたりの金額の4〜6%ほどです。金額は葬儀の規模にかかわらず一律なので、葬儀代が小さいほど割合は上がります。仮に葬儀代が50万円なら、7万円は14%にあたります。