「離婚したい!」と思っても、将来やお金に対する不安からなかなか行動に移せない人も多いのではないでしょうか。しかし、精神的・肉体的な苦痛を抱えていたり、生活を維持できない環境のまま一生を過ごすわけにもいきません。離婚とお金をめぐる問題を見ていきます。
「お金の問題」は離婚に繋がりやすい?
司法統計(平成30年度 婚姻関係事件数)によると、夫・妻それぞれが申し立てた離婚動機は次のようになっています。
【夫からの申し立て】
1位:性格が合わない
2位:その他
3位:精神的に虐待する
4位:異性関係
5位:家族親族と折り合いが悪い
【妻からの申し立て】
1位:性格が合わない
2位:生活費を渡さない
3位:精神的に虐待する
4位:暴力をふるう
5位:異性関係
夫・妻どちらも「性格が合わない」が1位ですが、妻側の申し立てには「生活費を渡さない」が2位で登場しています。最近では経済的DVなどという言葉も使われるように、妻が生活費を十分にもらえなかったり、夫が勝手に家計のお金を使ってしまうなど、金銭面で追い詰められてしまうケースもあるようです。
また、夫・妻ともに1位の「性格が合わない」のなかには「金銭感覚の違い」も含まれていると考えられます。夫婦のどちらかが散財すれば将来に対する不安を感じたり、逆になんでもかんでもケチる相手だと一緒にいて楽しくないと感じたり、「お金の価値観」は夫婦仲に大きく影響するものです。
では、お金のことで揉めないためにはどのような工夫をすればいいのでしょうか。
夫婦間でお金の不満をためないようにするには?
金銭感覚が違うのは育ってきた環境や性格的なものにもよるので仕方がないことですが、「お互いの意見の尊重」と「家計の現状の共有」で歩み寄ることが大切です。
たとえば、夫がお小遣い制の場合、夫の年収が上がっているのにも関わらず小遣い額の見直しをしたことがないならば、「頑張って仕事をしているのに…」と不満に思うでしょうし、仕事へのモチベーションも下がってしまうかもしれません。
もしお小遣いが上げられない理由があるのならば、「〇〇にお金がかかるようになったから毎月のお小遣いは上げられない。でもボーナスの時は多めに渡すからね」など、納得する理由を伝えましょう。
また、妻が生活費を受け取るケースでは、夫が家計の状況を把握していないため、毎月ギリギリの苦しいやりくりなのに増額してくれない、明らかに少ない生活費なのに「お前が使い過ぎている」などと指摘されるということが不満に感じる原因となるのではないでしょうか。
増額を頼む時は家計簿を見せながら、「無駄遣いしているわけではないし、削れることろがこれ以上ない」ということを数字で示して、具体的にいくら増やしてほしいと頼んでみるなどの工夫をしてみましょう。そうすれば夫も頭ごなしにダメだとは言えなくなるのではないでしょうか。