3. 寄附額別に見る、税金の下がり方と自己負担

寄附額を変えると、住民税の下がり方はどう変わるのでしょうか。ワンストップ特例制度を使った場合で比べました。

  • 3万円:住民税が年2万8000円(月約2333円)下がり、自己負担は2000円
  • 6万円:住民税が年5万8000円(月約4833円)下がり、自己負担は2000円
  • 10万円:住民税が年9万8000円(月約8166円)下がり、自己負担は2000円
  • 12万円:住民税が年10万6922円(月約8910円)下がるが、自己負担は1万3078円

上限の約10万7700円までは、寄附額が増えても自己負担は2000円のままです。上限を超えた分は控除されないため、12万円寄附すると自己負担は1万円を超えます(確定申告をした場合は1万560円)。

上限を超えると、自己負担は2000円では済まなくなる2/2

上限を超えると、自己負担は2000円では済まなくなる

出所:総務省「ふるさと納税のしくみ(税金の控除について)」などを参考にLIMO編集部作成

4. 「手取りが増える」の正体は返礼品

翌年度の住民税が月8000円あまり下がると聞くと、手取りがその分増えるように感じるかもしれません。ただ、正確には少し違います。

4.1 下がる税金は、先に払った寄附が戻ってくる分

ふるさと納税では、まず10万円を寄附として支払います。翌年度の住民税が9万8000円下がるのは、その寄附額から2000円を引いた分が戻ってくるためです。

家計全体で見ると、10万円を先に払い、9万8000円が翌年度の税金から戻ってくるので、差し引き2000円の支出です。手取りが実質的に増えるのは、寄附先から受け取る返礼品の分といえます。

総務省の基準では、返礼品の返礼割合は寄附額の3割以下とされています。10万円の寄附なら、返礼品の価値は最大で3万円程度です。2000円の負担で、日用品や食品などを受け取れれば、その分の生活費を浮かせられます。

4.2 寄附した年は、いったん手元のお金が減る

税金が下がるのは、寄附した翌年度の住民税(2027年6月からの給与天引き分)です。寄附した2026年中は、10万円がいったん手元から出ていく点を覚えておきましょう。

家計に余裕がない場合は、上限いっぱいではなく、3万円や6万円など少額から始めても、自己負担は同じ2000円です。

5. 面倒でもここだけ押さえれば始められる3ステップ

手続きが面倒に感じる方は、次の3つだけ押さえておけば始められます。

5.1 1つ目:上限の目安を確かめる

上限は、年収や家族構成、各種の控除で変わります。前年の源泉徴収票の金額を、ふるさと納税サイトなどの上限シミュレーションに入れると目安がわかります。迷ったら、目安より少なめに寄附すると安心です。

5.2 2つ目:寄附先と返礼品を選んで寄附する

寄附先の自治体と返礼品を選び、クレジットカードなどで寄附します。ワンストップ特例制度を使うなら、寄附先は5団体以内に抑えましょう。

5.3 3つ目:ワンストップ特例の申請書を出す

寄附するときに「ワンストップ特例制度を利用する」を選ぶと、寄附先から申請書が届きます。必要事項を記入し、マイナンバーを確認できる書類の写しなどを添えて寄附先に送ります。自治体によっては、オンラインで申請できるところもあります。

申請書の提出には、寄附した年の翌年の年明けに期限があります。期限は寄附先から届く案内で確認しましょう。6団体以上に寄附した場合や、医療費控除などで確定申告をする場合は、ワンストップ特例は使えず、確定申告で寄附金控除を申告します。

6. まとめ

年収700万円の単身の会社員なら、ふるさと納税の上限は約10万7700円です。10万円を寄附すると、ワンストップ特例制度を使った場合、翌年度の住民税が年9万8000円、月にして約8166円下がります。

下がる税金は寄附の戻りで、実際に得をするのは、2000円の負担で受け取れる返礼品の分です。上限を超えると自己負担が増えるため、寄附額は上限の範囲内に収めることが大切です。

まずは手元の源泉徴収票で上限の目安を確かめ、年内に少額から寄附してみましょう。寄附先を5団体以内にしてワンストップ特例の申請書を出せば、確定申告をしなくても控除を受けられます。

参考資料

和田 直子