11月1日より全国の映画館にて上映中の映画『ブラック校則』。テレビドラマと、Huluオリジナル(全4話)も同時進行で放送・配信されており、新しい形の複合的なエンターテインメントに挑戦しているオリジナル作品です。

作品は、タイトル通りブラックな校則がはびこる学校で、その校則を廃止しようと動く高校生の物語です。今回は、映画『ブラック校則』に描かれるようなブラック校則の実態を踏まえ、校則はだれのためのものであるか、何のためにあるのかを考えたいと思います。

必要以上の制約は「ブラック」な校則である

近年、ニュースなどで度々耳にするようになった「ブラック校則」。さまざまなブラック校則があるなかでも、制服の着方や見た目に関するものが多いとされています。

よく聞かれるのは、髪色を黒に指定する校則です。茶色がかった状態が地毛であっても、黒染めを強要する学校もあるといいます。また、そのまま登校するためには「地毛証明書」などの書類の提出が必要だということです。

映画『ブラック校則』に登場するヒロイン・希央(モトーラ世理奈)もまさに同じ状況で、地毛にもかかわらず、髪の毛が茶色いからと、校門で止められ学校に通うことができませんでした。「地毛証明書」を提出するためには地毛だとわかる幼少期の写真が必要ですが、希央は家庭の事情から、幼少時代の写真がなく提出できていませんでした。

他にも、下着の色を制限したり、外泊や旅行の予定を届け出ることを義務付けたり、政治的な活動、集会への参加も学校の許可が必要であったりと、学生の思想や意思を大きく妨げるような校則が現実に存在していることがわかっています。

極端な校則が必要な理由はなにか