図表2は、各国株式市場の時価総額トップ10の時価総額とシェアのグラフです。

図表2:各国株式市場時価総額シェア

出典:theGlobalEconomy.com

一目瞭然ですが、米国が金額もシェアも6割弱を占めており、一強と言っていい存在です。中国もGDP同様第2位となっていますが、その時価総額は20年前の約2.6倍と、GDP成長率の伸び率(約12倍)には追いつきません。それでも市場が拡大していることが分かります。

一方、上記の欧州4か国の時価総額合計は約2.5倍に拡大しています。日本市場の時価総額も2.3倍に拡大していますが、残念ながら株価の上昇は伴っていません。したがって、おそらく実際は、この20年間で上場社数が増えたため時価総額が膨らんだ可能性はあります。

いずれにしても、GDP同様、米国、中国、欧州が株式市場も牽引しているのは明白です。

どの地域に投資するか

将来のことは誰にもわかりませんし、これからもこれらの3地域が盤石であるという保証はありません。しかしながら、実体経済の成長性(GDP)と金融市場のグローバル性を考えると、やはり日本市場オンリーで投資機会を求めるというよりは、米国を中心とする世界株のほうによりチャンスがあると考えるのは自然です。

もちろん、リーマンショック級の経済ショックはこれからも起きるでしょうし、直接間接を問わず株式市場に投資している方は、その際大きな損失を抱えるかもしれません。ただし、どの経済ショック後も各国の市場は立ち直り、ショック後5年も経てば元の株価水準に戻っているのは歴史が証明しています。

海外投資は為替リスクも負いますが、毎月少額の資金を長期的につみたてて投資する手法だと、株価も為替も平準化される効用もあることが知られています。

これから真剣に引退後の資産形成をしようという方は、長期的観点でどの市場が最も投資効率が高いかや投資手法を考えて、投資対象国を決めてはいかがでしょう。もしご自身の資産形成をしっかり考えてみたいということでしたら、一度筆者が運営する一般社団法人日本つみたて投資協会のウェブサイトをご覧になってみてください。

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太田 創(一般社団法人日本つみたて投資協会 代表理事)