4. 中国地方の住宅ローン残高の平均1059万円を残り20年で返すと、毎月の返済額は4万9629円

中国地方の二人以上世帯の住宅ローン残高の平均1059万円を、残り20年、元利均等返済で返す場合の計算例を見てみます。金利は三菱UFJ銀行の2026年10月に新規で借りる場合の変動金利(ずーっと一律優遇コース)の適用金利、年1.195%が完済まで続くものとしています。手数料などの諸費用は含めていません。

4.1 中国地方の勤労者世帯の可処分所得47万7386円と比べると約10.4%

この条件で計算すると、毎月の返済額は4万9629円で、20年間に払う利息の合計は132万991円です。

家計調査の2026年8月の中国地方の勤労者世帯の可処分所得は47万7386円でした。4万9629円は、その約10.4%にあたります(LIMO編集部計算)。ただし、J-FLECの残高は二人以上世帯、家計調査の可処分所得は勤労者世帯の数字で、集計の対象が違うため、あくまで目安です。

4.2 返済期間を25年に延ばすと、毎月の返済額は8777円減り、利息は34万4620円増える

同じ残高と金利で、残りの返済期間を5年延ばして25年にした場合と比べます。

返済期間を延ばすと毎月の返済額は減りますが、利息の合計は増えます3/3

住宅ローン残高1059万円・金利年1.195%の計算例の表。残り20年のままなら毎月4万9629円で利息の合計は132万991円。25年に延ばした場合は毎月4万852円で8777円少なく、利息の合計は166万5611円で34万4620円多い

出所:金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査2025年(二人以上世帯調査)」、三菱UFJ銀行「住宅ローン金利」をもとにLIMO編集部作成

  • 残り20年のまま:毎月4万9629円、利息の合計は132万991円
  • 25年に延ばした場合:毎月4万852円で8777円少なく、利息の合計は166万5611円で34万4620円多い

毎月の負担が軽くなる分、返し終わるまでに払う利息は増えます。変動金利は見直しで適用金利が変わるため、実際の金額は計算例と異なります。

5. 住宅金融支援機構の返済方法の変更、返済期間の延長は最長15年

返済期間を延ばすような見直しは、借入先に申し込んで審査を受ける必要があります。ここでは、【フラット35】などを扱う住宅金融支援機構が案内している「返済方法変更メニュー」を例に、内容を確認します。

5.1 離職や病気などで返済が難しくなったときは、返済期間を延ばして毎月の返済額を減らせる

機構のAタイプは、離職や病気などで返済が難しくなった方が、収入などの基準に当てはまり、変更後の返済を続けられる場合に使えるメニューです。返済期間は最長15年延ばせます。

さらに、現に失業中の方や、収入が20%以上減った方は、返済期間の延長に加えて、元金の支払いを止めて利息だけを払う期間を最長3年まで設けられるとされています。いずれも、毎月の返済額は減りますが、総返済額は増えます。

5.2 教育費や医療費で一定期間だけ支出が増えるときは、その期間の返済額を減らせる

Bタイプは、教育費や医療費などで一定期間だけ支出が増える場合に、相談して決めた期間の返済額を減らすメニューです。減額の期間が終わると返済額は増え、総返済額も増えます。

機構の融資の返済方法の変更は、返済している金融機関の窓口に申し込み、審査の結果、希望どおりにならないこともあります。民間の金融機関の住宅ローンは、金融機関ごとに取り扱いが違うため、借入先に問い合わせてみてください。

6. 返済が厳しくなりそうなときは、遅れる前に借入先へ相談する

銀行の窓口で住宅ローンのご相談をお受けしていた頃、返済が厳しくなりそうだという方とは、次の点を一緒に確かめていました。

6.1 返済予定表で、残高・残りの期間・適用金利を書き出す

相談の前に、返済予定表や取引画面で、いまの残高、残りの返済期間、適用されている金利を書き出しておくと、話が早く進みます。ボーナス返済を併用している場合は、その金額と月も確かめておきましょう。

6.2 返済が遅れてからより、遅れる前のほうが選べる方法は多い

返済が遅れてからご相談に来られる方もいらっしゃいましたが、遅れる前のほうが、返済期間の延長や一定期間の減額など、検討できる方法を落ち着いて比べられました。収入が減りそうだと分かった時点で、借入先に一度問い合わせておくと安心です。

6.3 延ばした場合の総返済額も、あわせて出してもらう

毎月の返済額が下がると、ほっとされる方が多くいらっしゃいました。ただ、計算例のとおり、期間を延ばすと利息の合計は増えます。毎月の返済額だけでなく、完済の時期と総返済額もあわせて出してもらうと、家計の見通しを立てやすくなります。

7. まとめ

J-FLECの調査では、中国地方の二人以上世帯で借入金がある世帯は22.2%と地域別で最も高く、住宅ローン残高は平均1059万円、中央値900万円でした。家計調査では、2026年8月の住宅ローン返済世帯の返済額は月9万2087円で、可処分所得の約16.3%です。

残高1059万円・残り20年・年1.195%の計算例では、毎月の返済額は4万9629円で、25年に延ばすと毎月8777円減る一方、利息は34万4620円増えます。住宅金融支援機構の返済方法変更メニューでは、返済期間を最長15年延ばせます。返済が厳しくなりそうなときは、遅れる前に借入先へ相談しましょう。

参考資料

中本 智恵