11月2日の年賀はがき発売日(※1)が目前に迫る今、家族葬で身内を見送ったご遺族は「喪中はがきは誰に、何枚出せばよいのか」と悩む時期を迎えています。
現在、実際に行われる葬儀の約半数が家族葬という調査結果も出ています(※2)。身内だけで静かに見送ったからこそ、訃報を知らせていない方へどう対応すべきか迷いが生まれるのは当然のことでしょう。郵便局のプリントサービスでは早期割引の期限(11月11日)が約3週間後に迫っており、少し早めの準備も求められます。
この記事では、喪中はがきの基本的なマナーや費用、そして「家族葬の事後報告」を兼ねる際の配慮について、最新のデータをもとに整理します。
※1:日本郵便が2026年8月31日に公表した「2027(令和9)年用年賀はがき等の発行概要」
※2:鎌倉新書「【第7回】お葬式に関する全国調査(2026年)」
1. 実は半数が「家族葬」。遺族が一番悩む「喪中はがき」の壁とは?
1.1 データで判明!いまや葬儀の約半数が「家族葬」という新常識
2026年5月12日に鎌倉新書が公表した「【第7回】お葬式に関する全国調査(2026年)」によると、実際に行った葬儀は家族葬が47.0%(940人)で最多でした。一般葬は30.2%(604人)、一日葬は11.9%(238人)、直葬・火葬式は10.8%(216人)という内訳です。
前回の2024年調査(50.0%)からは3.0ポイントの微減ですが、約半数を占める主流の形式として定着しています。
本調査は、直近2年以内に喪主等を経験した40歳以上の全国2000人を対象に、2026年2月から3月に実施されたものです。
ちなみに、株式会社NEXER Groupと村田葬儀社による2026年9月の調査(500人対象)では、理想の形式として家族葬を挙げる人が62.8%に上っています。
1.2 遺族のリアルな悩み。「どこまで知らせるべきか」の葛藤
同調査で葬儀の際に困ったことを尋ねたところ、「お布施の相場やマナー」が346件で最多でした。
「葬儀の知識やマナー」が259件、「遺影の写真」が227件と続き、「訃報連絡の相手や範囲」を挙げた人も219件に達しています。家族葬を選んだことで、誰にどこまで知らせるべきか迷う実態がうかがえる結果です。
2. 喪中はがきは「誰に」「何枚」?迷わず決まる宛先の選び方
2.1 基本は「毎年年賀状をやり取りしている人」
郵便局プリントサービスの解説によると、喪中はがきは年賀状を交換している人へ送る挨拶状として知られています。
新年の挨拶を控える旨を事前に伝える目的があり、11月から12月上旬にかけて届くよう手配するのが一般的です。喪中となる親族の範囲は、一般的に二親等程度が目安とされています。
2.2 実は「10人以下」が最多!4つの仕分け術で人間関係を整理
フタバが2025年10月10日に公表した「喪中はがきの実態調査」(回答者200人)では、送付人数は「10人以下」が83人(41.5%)で最多でした。「50人以上」と答えた人は15人(7.5%)にとどまります。
枚数に迷ったときは、相手を次の4つのグループに整理するとスムーズです。
- 葬儀に参列し、年賀状も交換している人:通常の年賀欠礼を出します。
- 年賀状を交換しているが、葬儀を知らせていない人:喪中はがきが訃報の初報となるため、近況や感謝の一言を添える配慮が望ましいでしょう。
- 普段年賀状を交換していない人:送らないという選択肢も考えられます。
- 喪中に気づかず年賀状をくれた人:年明けに寒中見舞いで対応するとよいでしょう。
相手との関係性を振り返りながら、宛先リストを整理していくことが大切です。
3. 喪中はがきはいくら?費用と早期割引の期限
3.1 はがき代は1枚85円。印刷料金・宛名印刷との組み合わせ
郵便局プリントサービスの案内によると、費用は印刷料金・はがき代・オプション代の3本立てです。通常はがき代は1枚あたり85円(2024年10月1日改定)で、目安は10枚で850円、20枚で1700円、30枚で2550円、50枚で4250円となっています。
たとえば10枚の場合、郵便局の印刷料金は4260円(2026年10月中旬時点、早期割引15%適用後・税込の例)で、はがき代850円を合わせると5110円です。宛名印刷(基本1100円+1枚31円×10枚=1410円)を足すと、6520円になります。
3.2 早期割引の期限は2つ。11月11日まで15%、12月9日まで10%
郵便局プリントサービスでは、年賀状・喪中はがき・寒中見舞いを対象に早期割引が用意されています。割引率は注文した日で決まり、2026年8月31日(月)から11月11日(水)までの注文は15%、11月12日(木)から12月9日(水)までの注文は10%の割引となります。
割引が適用されるのは印刷料金のみで、はがき代や宛名印刷などのオプション代は対象外です。一部に対象外の商品もあるため、注文前に商品ページで確認しておくと安心でしょう。
このほか、会員登録をしてログインしたうえで注文すると、年賀状・喪中はがき・寒中見舞いの販売期間中は印刷料金が10%割引になる会員割引(通常期は5%)もあります。同ページの割引率シミュレーターでは、条件を組み合わせた割引率が最大30%OFFと案内されている点も、あわせて知っておきたいところです。
4. 事後報告の注意点。葬儀に呼ばなかった人へ送る「3つの鉄則」
家族葬のあとの喪中はがきでは、費用や枚数のほかにも押さえておきたい点があります。順に見ていきましょう。
4.1 鉄則1:要注意!喪中はがきを「訃報」にしてはいけない理由
郵便局の解説にあるとおり、喪中はがきは年賀を欠礼する挨拶状であり、訃報の通知を目的としたものではありません。葬儀を知らせていない人へ届ける場合は事後報告を兼ねることになるため、丁寧な一文を添えるのが望ましいでしょう。
家族だけで葬儀を済ませた旨や、事後の連絡となったおわびを文面に盛り込みます。香典や弔問を辞退する意向があれば、その旨も明記しておくと親切です。
4.2 鉄則2:早割の意外な盲点。少人数なら「あえて急がない」選択も
見落としがちな点として、早期割引の対象範囲が挙げられます。割引が適用されるのは印刷料金のみで、はがき代と宛名印刷代は対象外です。
また、手配する枚数が10枚程度であれば、割引による差額は数百円規模にとどまります。割引率だけにとらわれず、スケジュールに無理のない時期に手配を進める視点が大切です。
4.3 鉄則3:もし年末に間に合わなかったら?救済策は「寒中見舞い」
12月に身内が亡くなった場合や、投函が遅れた場合は、寒中見舞いを送ります。松の内(1月7日頃。地域によって異なります)を過ぎてから、節分(2月3日頃)までに届くよう手配しましょう。
5. 【そのまま使える】家族葬のあとの喪中はがき文面テンプレート
喪中はがきの文面テンプレート(葬儀に参列した方向け・知らせていない方向け)3/3
LIMO編集部作成
1つ目は、葬儀に参列した方向けの通常の年賀欠礼テンプレートです。
喪中のため新年のご挨拶を差し控えさせていただきます
今年〇月に〇〇(続柄)〇〇(名前)が〇歳にて永眠いたしました
本年に賜りましたご厚情に厚く御礼申し上げます
皆様の健やかな新年のご多幸を切にお祈り申し上げます
令和〇年十一月
2つ目は、葬儀を知らせていない方向けの事後報告テンプレートです。
喪中のため新年のご挨拶を差し控えさせていただきます
今年〇月に〇〇(続柄)〇〇(名前)が〇歳にて永眠いたしました
故人の生前の遺志により葬儀は身内のみにて執り行いました旨をご報告いたします
ご連絡が遅れましたことを深くお詫び申し上げます
生前に賜りましたご厚誼に心より感謝申し上げます
令和〇年十一月
※文面は一般的な定型表現をもとにLIMO編集部が作成しました。
6. 出した後に連絡は来る?調査でわかった遺族の「意外な本音」
フタバの調査(回答者200人)によると、喪中はがきをきっかけに連絡があった人は124人(62.0%)でした。連絡を受けた124人のうち、76人が「嬉しかった・支えになった」と答えています。
喪中はがきは欠礼を伝える挨拶状ですが、相手が声をかけるきっかけにもなることがうかがえる結果です。
7. 「出さない」を選択したら?筆者の心を震わせた1通の年賀状
親が亡くなった際、筆者は喪中はがきを出さないことにしました。ここ数年、親戚以外との年賀状のやり取りが途絶えていたからです。高齢になると、体調や施設への入所、終活などを理由に年賀状をやめる人も多いと考えていました。
ところが、親が亡くなった翌年の正月に、1通の年賀状が届いたのです。差出人は母の友人で、前年に体調を崩していたことが記されていました。「お互いがんばろうね」という手書きの一言に、思わず目頭が熱くなったことを覚えています。
筆者は、お見舞いの気持ちと事後の事情を伝える手紙を、母の友人へしたためました。相手の体を気遣い、体が温まる食品も添えて送っています。間もなく、その友人とは電話で直接言葉を交わす機会にも恵まれ、昔の母の思い出話などを伺いながら、心がじんわりと温まる貴重な時間を過ごしました。
喪中はがきを出すべきか迷っているなら、思い切って届けてみるのも素敵な選択かもしれません。
8. もう迷わない!家族葬後の喪中はがき、スムーズな3つの行動手順
喪中はがきを出すかどうかは遺族の自由であり、出す場合は早めに準備を進めると安心につながるでしょう。
- 年賀状の宛先リストを確かめ、4つのグループに仕分ける:手元の年賀状の整理から始めましょう。
- 印刷を依頼するなら、11月11日までの早期割引を活用する:印刷料金を抑える工夫が有効です。
- 葬儀を知らせていない相手には、事情を伝える一言を文面に添える:相手への配慮を込めましょう。
遺族の温かな思いを届ける機会として、無理のないペースで準備を進めてみてください。