株式会社シーベースが2026年10月13日に公表した「管理職・次世代リーダー育成実態調査2026」では、部下を持つ管理職のうち、「部下とのコミュニケーションに困ったり、悩むことがある」に「あてはまる」「ややあてはまる」と答えた人が、合わせて40.9%でした。マネジメントの経験が浅い管理職では、その割合がさらに高くなっています。

部長や課長などの管理職は、年収が高い一方で、部下との関係やチームの成果に責任を持つ立場でもあります。管理職を目指す方も、すでに管理職の方も、年収とともにその業務内容が気になるところでしょう。

本記事では、厚生労働省の調査から部長級・課長級・係長級の推定年収と、働く人が感じている強い不安や悩みの内容を確かめます。そのうえで、管理職の部下とのコミュニケーションについての調査結果もあわせて見ていき、管理職として働くときに確かめておきたいこともお伝えします。

1. 【管理職の平均年収は?】推定年収は部長級1020万1000円、課長級872万1100円、係長級685万6900円

まずは厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」の役職別の表(雇用期間の定めのない人・男女計・学歴計・企業規模計=10人以上、短時間労働者を含まない)から、管理職の年収の目安を見てみます。

1.1 【管理職の賃金と年収】部長・課長・係長別でいくらか

月々の給与(残業代などを含む「きまって支給する現金給与額」)は、部長級で64万6200円、課長級で54万4100円、係長級で44万5400円です。非役職は34万2700円でした。賞与などの「年間賞与その他特別給与額」は、部長級で244万6600円、課長級で219万1900円、係長級で151万2100円、非役職で86万6400円です。

月々の給与を12倍して年間の賞与を足すと、推定年収は、部長級は1020万1000円で、課長級は872万1100円、係長級は685万6900円、非役職は497万8800円になります。平均の年齢は部長級が53.1歳、課長級が49.5歳、係長級が45.4歳、非役職が41.8歳で、勤続年数では、部長級で22.6年、課長級で20.9年、係長級で17.5年、非役職で10.8年でした。

なお、この推定年収は、6月分の月々の給与を12倍して、前の年(令和6年)の1年間の賞与を足した目安です。実際の年収は、勤め先の規模や業種、一人ひとりの評価などによって変わります。

役職ごとの推定年収を並べると、係長級から課長級、課長級から部長級へと役職が上がるにつれて、月々の給与と賞与の両方が多くなっています。一方で、平均の年齢と勤続年数も役職とともに高く、長くなっています。管理職の年収は、長く勤めて経験を積み、責任のある役割を担うことと結びついているといえるでしょう。裏を返せば、年収が上がる時期には、部下の育成やチームの成果に向き合う役割も重なりやすいということです。年収の数字だけでなく、その年収に見合う役割がどのようなものかを思い浮かべておくと、管理職という働き方を考えやすくなります。

役職別の推定年収(令和7年・短時間労働者を含まない)1/2

役職別の推定年収(令和7年・短時間労働者を含まない)

出所:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」をもとにLIMO編集部作成

2. 【働く人の悩みは?】強い不安やストレスがある人は67.5%、内容は「対人関係」が32.9%

では、働く人はどのようなことに強い不安や悩みを感じているのでしょうか。厚生労働省の「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)」の結果を見ると、いまの仕事や職業生活について、強い不安や悩み、ストレスと感じる事柄がある労働者は67.5%でした。前の年の調査では68.3%です。

強い不安、悩み、ストレスと感じる事柄がある労働者に、その内容(主なもの3つ以内)を聞くと、「仕事の量」が39.5%、「仕事の失敗、責任の発生等」が39.5%で最も多く、その次に多かったのは「対人関係(セクハラ・パワハラを含む。)」で、32.9%の人が挙げています。

この調査は管理職だけでなく、常用労働者10人以上の民営事業所で働く人を対象にしたものですが、職場の人間関係を強い悩みに挙げる人が少なくないことがわかります。仕事の量や責任の重さと並んで、人との関わりが働くうえでの大きな悩みになっているといえるでしょう。

人との関わりは相手があることなので、自分だけで思いどおりに変えるのは難しいものです。部下を持つ管理職にとっては、チームの成果を出すうえでも、部下との関わり方が大きな課題になりやすいと考えられます。

同調査では、年齢階級別にみると、強い不安、悩み、ストレスと感じる事柄がある人は、40~49歳で71.5%、50~59歳で66.0%でした。その内容に「対人関係(セクハラ・パワハラを含む。)」を挙げた人は、40~49歳で36.8%、50~59歳で31.5%です。部長級・課長級の平均年齢に近い40代・50代でも、人との関わりを強い悩みに挙げる人が3人に1人ほどいることになります。

仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレス2/2

仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレス

出所:厚生労働省「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)」をもとにLIMO編集部作成