5. 自治体の研究職の95.9%は都道府県、指定都市の研究職は年収の目安732万1152円

総務省の調査では、研究職の給与を勤め先の団体区分別にも公表しています。研究職1万1702人のうち、都道府県で働く人は1万1227人で、95.9%を占めています。

  • 都道府県(1万1227人・平均43.4歳):月収43万3954円・ボーナス184万4841円・年収の目安705万2289円
  • 市区町村など(475人):月収43万8857円・ボーナス190万6849円・年収の目安717万3133円
  • うち指定都市(399人):月収44万7234円・ボーナス195万4344円・年収の目安732万1152円

市区町村などの475人には、指定都市のほか市・町村も含まれます。指定都市の研究職は、都道府県より年収の目安が26万8863円高くなっています。

5.1 地域手当は都道府県が1万4688円、指定都市が4万6453円

月収の差が大きく出ているのは地域手当です。研究職1人当たりの平均月額で、都道府県は1万4688円、指定都市は4万6453円で、差は月3万1765円でした。12か月分では38万1180円になります。

地域手当の1万4688円は、支給されていない職員も含めた1人当たりの平均額です。地域手当は勤務地の民間の賃金水準などに応じて支給割合が決まるため、同じ研究職でも勤め先の団体によって月収の中身が変わります。

5.2 研究職の諸手当7万3966円のうち時間外勤務手当は1万6261円

全地方公共団体の研究職の諸手当7万3966円は、平均給与月額の17.0%にあたります。主な内訳は、時間外勤務手当が1万6261円、地域手当が1万5762円、通勤手当が1万4261円、扶養手当が8353円、管理職手当が8123円、住居手当が7727円です。

時間外勤務手当は、令和7年4月に実際に勤務した分の額で集計されています。4月分の数字を12か月分にした年収の目安は、実際の年収と同じになるとは限りません。

6. 毎月勤労統計調査の2026年8月分、学術研究等の現金給与総額は前年同月比3.9%増

厚生労働省が2026年10月7日に公表した毎月勤労統計調査(2026年8月分速報、事業所規模5人以上)では、産業別の給与の動きが確認できます。研究機関などが含まれる「学術研究等(学術研究,専門・技術サービス業)」の一般労働者の給与は次のとおりです。

  • 現金給与総額:48万1489円(前年同月比3.9%増)
  • きまって支給する給与:45万9360円(同6.1%増)
  • 所定内給与:42万8167円(同5.8%増)

6.1 学術研究等の現金給与総額は調査産業計を8万1640円上回る

同じ2026年8月分で、調査産業計の一般労働者の現金給与総額は39万9849円(前年同月比3.7%増)でした。学術研究等は調査産業計を8万1640円上回っています。

毎月勤労統計調査は産業別の集計で、学術研究等には研究者以外の職種で働く人も含まれます。賃金構造基本統計調査の研究者の数字とは、集計の範囲も時点も違う点に注意が必要です。

7. まとめ

賃金構造基本統計調査の研究者の年収の目安は802万100円、自治体の研究職は705万7307円で、差は96万2793円でした。ボーナスは自治体の研究職のほうが3万1371円多く、年収の差は月8万2847円の月収の差から生まれています。

研究者は企業規模によって年収の目安が627万4200円から836万8800円まで変わり、自治体の研究職も、勤め先が都道府県か指定都市かで地域手当の額が違いました。2026年8月分の毎月勤労統計調査では、学術研究等の一般労働者の現金給与総額が前年同月比3.9%増えています。

勤め先を比べるときは、月給と賞与の実績に加えて、どの手当がどのような条件で支給されるのかを書面で確かめておくと、年収の目安を同じ形で並べられます。

参考資料