4. 【フラット35】の総返済負担率の基準は、年収400万円以上なら35%以下

【フラット35】には、年収に占める年間の返済額の割合について、借りる人が満たす基準があります。住宅金融支援機構の案内で確認します。

4.1 年収400万円未満は30%以下、400万円以上は35%以下

住宅金融支援機構の「【フラット35】ご利用条件」によると、【フラット35】を利用できるのは、すべての借入れについて、年収に占める年間の合計返済額の割合(総返済負担率)が、年収400万円未満なら30%以下、年収400万円以上なら35%以下の人です。

利用者調査では30%以上の人が17.7%でしたが、年収400万円以上であれば35%以下までは基準の範囲内です。基準いっぱいまで借りられるかどうかと、その返済を続けられるかどうかは、別の問題として見ておく必要があります。

4.2 自動車ローンや教育ローン、カードローンの返済も合算する

ここでいう「すべての借入れ」には、【フラット35】以外の住宅ローンのほか、自動車ローン、教育ローン、カードローンなどが含まれます。収入を合算する人がいる場合は、その人の借入れも含めます。

住宅ローンの返済額だけで計算すると、自動車ローンなどを足したときに割合が上がることがあります。返済中のローンがあれば、毎月の返済額をすべて書き出してから計算すると確実です。

5. 世帯年収716万円で総返済負担率22.8%なら、年間の返済額は約163万円

2025年度の【フラット35】利用者の平均世帯年収716万円に、総返済負担率をあてはめて、年間と1か月あたりの返済額を計算します。いずれも平均どうしをかけた計算例で、実際の利用者の返済額を示すものではありません。

5.1 平均の22.8%なら月約13万6000円

世帯年収716万円の22.8%は163万2480円で、年間の返済額は約163万円です。12か月で割ると1か月あたり約13万6000円になります。

5.2 基準の上限35%なら月約20万9000円

同じ世帯年収716万円で、基準の上限にあたる35%をあてはめると、年間の返済額は250万6000円、1か月あたり約20万9000円です。平均の22.8%との差は、年間で約87万円、1か月あたりで約7万3000円になります。

この差は、毎月の家計で見ると、教育費や老後のための積み立てに回せたかもしれない金額です。借りられる上限ではなく、手取りの収入から毎月いくら返せるかを先に決めておくと、借入額も決めやすくなります。

6. 年収に対する住宅ローンの返済額を確かめるときの3つの手順

これから住宅ローンを組む人も、すでに返している人も、次の3つを順に確かめると、年収に対する返済の重さを自分の数字でつかめます。

6.1 源泉徴収票の「支払金額」で年収をそろえる

総返済負担率は税金や社会保険料を引く前の年収で計算します。会社員なら源泉徴収票の支払金額を使い、共働きで収入を合算するなら、2人分を足して計算します。

6.2 返済中のローンをすべて足して、年間の返済額を出す

住宅ローンの返済予定表に加えて、自動車ローンや教育ローンなどの返済額も1年分で足し合わせます。年収で割れば、自分の総返済負担率が出ます。

6.3 変動金利なら、金利が上がったときの返済額も並べておく

変動金利の住宅ローンは、金利の見直しで返済額が変わることがあります。いまの返済額だけでなく、金利が上がった場合の返済額も金融機関の試算で確かめ、総返済負担率がどこまで上がるかを見ておくと安心です。

7. 住宅ローンの返済は年収の何割か 自分の総返済負担率を出して借入額を決める

年収別に見た住宅ローン残高は、年収750万円以上の世帯で中央値が1500万円前後になり、4割超が2000万円以上の残高を抱えていました。これから借りる人のあいだでも、年収の3割以上を返済に充てる人は【フラット35】の利用者の17.7%いて、10年前の7.7%から増えています。

【フラット35】の基準は年収400万円以上なら35%以下ですが、基準の範囲内でも返済を続けられるとは限りません。借りる額を決めるときは、年収に対する返済額の割合を、家計の実感と照らし合わせておくことが欠かせません。

総返済負担率は、ほかのローンも含めた年間の返済額を、税金などを引く前の年収で割って出します。借入額の試算や金利が上がった場合の返済額は借りる予定の金融機関で、【フラット35】の条件は住宅金融支援機構の「ご利用条件」のページで確かめてみてください。

参考資料

中本 智恵