3. 納付要件の考え方。具体的なケースで確認すると、どうなる?

納付要件の考え方を、初診日が2026年10月の場合の例で確認してみましょう。

3.1 3つのケースで比べる

ここでは、20歳になった2015年4月から、初診日がある月の前々月の2026年8月までの137か月を、被保険者期間と仮定します。

原則では、137か月の3分の2にあたる92か月以上を、納付済期間と免除期間で満たす必要があります。

ケースAは、学生期間の48か月が未納(申請なし)で、その後の89か月を納めている場合です。

原則では89か月で92か月に届かず、満たしません。ただし、直近1年間に未納がないため、特例で要件を満たします。

ケースBは、学生期間の48か月に学生納付特例を申請して承認を受け、その後の89か月を納めている場合です。

承認を受けた期間も対象期間になるため、137か月すべてが対象となり、原則で満たします。

ケースCは、学生期間の48か月が未納で、その後は納付80か月・未納9か月(うち3か月は直近1年間)の場合です。

原則では80か月で足りず、直近1年間にも未納があるため、特例も使えず、要件を満たしません。

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3つのケースで確認(初診日が2026年10月の場合の例)

出所:日本年金機構「障害基礎年金(受給要件・請求時期・年金額)」をもとにLIMO編集部作成

3.2 ケースの違いは、手続きの有無と直近の納付状況

ケースAとBは、学生期間を未納のままにしたか、手続きをしたかで、数え方が変わった例です。

ケースCは、過去の未納に加えて、直近1年間にも未納がある場合に、2つのチェックのどちらも満たさなくなる例です。

実際の判定は、個々の被保険者期間や、厚生年金の加入状況などによって異なるため、あくまで考え方の目安としてご覧ください。

4. 未納期間があるかもしれないときは、どう確認する?

記録に自信がないときは、まず、年金の記録を確認することから始めましょう。

4.1 「ねんきんネット」で、ご自身の年金記録を確認する

「ねんきんネット」では、ご自身の年金記録を一覧で確認できます。

国民年金保険料を納付していない期間など、特に確認してほしい箇所には、アイコンが表示されます。

アイコンの付いた月を選ぶと、確認すべき内容が表示されるため、どの時期が未納になっているのかを見つけやすくなります。

4.2 今から納付や免除の申請ができる期間は?

国民年金の保険料は、納付期限から2年以内であれば、納めることができます。

納付期限から2年を過ぎると、時効により納付できなくなります。

免除や納付猶予、学生納付特例も、保険料の納付期限から2年を経過していない期間、つまり申請時点から2年1か月前までの期間であれば、申請できます。

ただし、納付要件の判定は初診日の前日時点で行われます。すでに初診日を迎えている場合は、あとから納めたり申請したりした内容が、要件の判定にどう扱われるかが変わる場合があるため、年金事務所で確認することが大切です。

4.3 記録に漏れや誤りがありそうなときは

記録に覚えと違う点がある場合は、年金事務所などの相談窓口に確認しましょう。

年金記録の確認や訂正の手続きについては、日本年金機構が相談・手続きの窓口を案内しています。

和田直子
障害年金の納付要件は、「いつ」の記録が見られるのかが決まっているため、元気なうちに確認しておく意味が大きいと感じます。

ねんきんネットなどで記録を見ておくと、未納の期間があっても、免除や納付猶予の手続きができる期間なのか、すでに時効なのかを、早めに把握できます。障害年金のためだけでなく、将来の老齢年金の見通しを立てるうえでも役立ちます。

5. まとめ

障害年金の保険料納付要件は、初診日の前日時点で、初診日がある月の前々月までの被保険者期間を対象に判定されます。

原則は、納付済期間と免除期間を合わせて、全加入期間の3分の2以上あることです。

特例として、初診日が2036年(令和18年)3月末日までで、初診日に65歳未満であれば、直近1年間に未納がなければ足ります。

免除・納付猶予・学生納付特例が承認された期間は要件の対象期間になりますが、手続きをしていない未納の期間は数えられません。

不安があるときは、ねんきんネットで年金記録を確認し、年金事務所に相談してみましょう。

障害年金は個別の事情によって取り扱いが異なるため、ご自身が納付要件を満たしているかどうかや、手続きの進め方については、年金事務所や街角の年金相談センターなどでご確認ください。

【免責事項】

  • 本記事は、2026年10月14日時点の日本年金機構の公表情報にもとづいています。制度の内容は、変更される場合があります。
  • 障害年金を受け取れるかどうかは、傷病の状態、障害の程度、初診日の確認、保険料の納付要件などにより、個別に審査されます。本記事の内容は、受給を保証するものではありません。
  • 本記事の具体例は、考え方を示すための仮の例です。実際の納付要件の判定は、被保険者期間や加入していた制度などによって異なります。
  • 本記事は、特定の請求方法や手続きを推奨することを目的としたものではありません。

参考資料

和田 直子