障害年金を調べると、「初診日の前日に、保険料の納付要件を満たしていること」という条件に行き当たります。

学生のころの国民年金や、仕事を離れていた時期の記録に自信がなく、「未納があるかもしれない」と不安になる方も少なくないでしょう。

納付要件には、全加入期間の3分の2以上を納めている(免除を含む)という原則と、直近1年間に未納がないという特例があり、どちらか一方を満たせばよいとされています。

この記事では、障害年金の保険料納付要件の考え方、学生時代や無職の期間の数え方、未納があるかもしれないときの確認方法を、具体例を交えて解説します。

1. 障害年金の「保険料納付要件」とは?

保険料納付要件は、障害年金を請求できるかどうかを判断する条件の一つで、保険料の納付状況が確認されます。

1.1 判定されるのは「初診日の前日」の時点

納付要件は、初診日の前日時点の納付状況で判定されます。

対象になるのは、初診日がある月の前々月までの被保険者期間です。

初診日は、障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師などの診療を受けた日を指します。

1.2 原則は「全加入期間の3分の2以上」

原則では、初診日がある月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料を納めた期間と免除を受けた期間を合わせて、3分の2以上あることが必要です。

この「納めた期間」には、国民年金の保険料納付済期間のほか、厚生年金保険の被保険者期間や共済組合の組合員期間も含まれます。

たとえば、被保険者期間が137か月ある場合は、137か月の3分の2にあたる約91.3か月を上回る、92か月以上が必要です。

1.3 特例は「直近1年間に未納がない」

初診日が2036年(令和18年)3月末日までで、初診日に65歳未満の場合は、特例が使えます。

初診日がある月の前々月までの直近1年間に、保険料の未納がなければ、要件を満たすとされています。

原則と特例のどちらか一方を満たせばよいため、過去に未納があっても、直近1年間の納付状況によっては要件を満たせる場合があります。

なお、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件は問われません。

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障害年金の保険料納付要件(原則と特例)

出所:日本年金機構「障害基礎年金(受給要件・請求時期・年金額)」をもとにLIMO編集部作成

2. 学生時代や無職の期間は、納付要件でどう数えられる?

学生時代や仕事を離れていた時期の国民年金は、「納めたか」「免除などの手続きをしたか」「何もしていないか」によって、数え方が変わります。

2.1 免除・納付猶予・学生納付特例の期間は、要件の対象期間になる

免除が承認された期間は、免除期間として、3分の2の計算に含まれます。

学生納付特例が承認された期間は、保険料納付済期間と同様に、障害基礎年金の要件の対象期間になります。

納付猶予が承認された期間も、障害基礎年金の受給資格期間に算入されます。

このため、学生のころや収入が少なかった時期に、手続きをして承認を受けていれば、納付要件のうえでは、未納とは区別されます。

2.2 申請も納付もしていない未納の期間は、数えられない

一方、手続きをしないまま未納になっている期間は、納付要件の計算には含まれません。

免除や納付猶予の手続きをしないまま未納にしておくと、病気やけがで障害の状態になったときに、障害基礎年金を受け取れない場合があるとされています。

初診日より後にさかのぼって免除を申請しても、納付要件には算入されないとされているため、判定の基準となる初診日の前日までの記録が重要です。

2.3 追納すると、将来の年金額に反映される

免除や学生納付特例、納付猶予を受けた期間の保険料は、承認された月の前10年以内であれば、あとから納める「追納」ができます。

追納すると、1年間分で、全額免除の期間なら老後の年金が年間で約1万円、納付猶予や学生納付特例の期間なら年間で約2万円増えるとされています。

障害年金の納付要件のうえでは、承認された期間は追納しなくても対象期間になりますが、追納しない場合、将来の老齢基礎年金の額は少なくなります。