日が落ちるのがすっかり早くなり、スーパーの葉物野菜の値札に手が止まる方も多いのではないでしょうか。

農林水産省の「食品価格動向調査(野菜)」(10月20日公表)では、レタスが1kgあたり1211円で平年比215%です。

レタス・キャベツ・はくさいを各1kg買うと2111円になり、平年の約2倍にあたります。

平年比の見方、家計への影響、値上がりが目立たない野菜との差を順にみていきましょう。

1. そもそも平年比とは?農水省の調査で何がわかる

農水省の「食品価格動向調査(野菜)」は、全国470店舗を対象に野菜の小売価格を調べる調査です。

今回の対象は令和8年10月12日の週で、調査日は10月13日と14日でした。

価格は消費税込みの単純平均で、特売価格は含まれていません。

価格は1kgあたりで示されており、1玉や1袋で売られる店頭の値札とは単位が異なります。

平年比は、過去5年間の平均価格と比べた数値です。

100%なら平年並みで、215%なら平年の2.15倍の水準を意味します。

昨年の同じ時期との比較ではない点は、覚えておきたいところです。

2. 葉物の価格はいくら?レタス1211円・キャベツ376円・はくさい524円

主な野菜の全国平均小売価格と平年比(令和8年10月12日の週)1/4

主な野菜の全国平均小売価格と平年比(令和8年10月12日の週)

出所:農林水産省「食品価格動向調査(野菜)」をもとにLIMO編集部作成

調査の結果、主な葉物野菜はいずれも平年を大きく上回りました。

  • レタス:1kg1211円(前週比106%、平年比215%)
  • キャベツ:1kg376円(前週比121%、平年比189%)
  • はくさい:1kg524円(前週比104%、平年比180%)
  • だいこん:1kg272円(前週比102%、平年比108%)
  • ねぎ:1kg961円(前週比101%、平年比104%)
  • トマト:1kg1096円(前週比101%、平年比101%)
  • にんじん:1kg474円(前週比100%、平年比100%)
  • たまねぎ:1kg315円(前週比99%、平年比97%)

2.1 葉物3種を各1kg買うと、平年よりいくら高い?

葉物3種を各1kg買った場合の金額と、平年から逆算した金額2/4

葉物3種を各1kg買った場合の金額と、平年から逆算した金額

出所:農林水産省「食品価格動向調査(野菜)」をもとにLIMO編集部試算

たとえば、調査データの単位に合わせて、レタス・キャベツ・はくさいを各1kg相当買う場合を考えてみましょう。

目安は、レタスが約2〜3玉、キャベツが約1玉、はくさいが約3分の1〜半玉ですが、玉の大きさで変わります。

今回の価格では、1211円と376円と524円を合わせて2111円です。

平年比から逆算すると、平年の価格はレタスが約563円、キャベツが約199円、はくさいが約291円になります。

合計は約1053円で、今回の2111円との差額は約1060円です。

この量を月に1回買う場合でも、差額は約1060円にのぼります。

買う回数が増えるほど、差額も積み上がる計算です。

なお、1kgは試算用の単位にすぎません。

平年の価格は平年比からの逆算値のため、数円ほどの誤差が出ることもあります。

3. 値上がりが目立たない野菜は?だいこん・にんじん・たまねぎの価格

葉物3種と平年並みの野菜3種、各1kgを買った場合の合計3/4

葉物3種と平年並みの野菜3種、各1kgを買った場合の合計

出所:農林水産省「食品価格動向調査(野菜)」をもとにLIMO編集部試算

同じ調査で、葉物以外の野菜も見てみましょう。

だいこんは1kg272円で平年比108%、にんじんは474円で100%、たまねぎは315円で97%でした。

ねぎは961円で104%、トマトは1096円で101%と、こちらも平年に近い水準です。

農水省の見通し資料では、過去5か年平均との比率が概ね90%以上110%以下を「平年並み」としています。

この基準に当てはめると、だいこん・にんじん・たまねぎはいずれも平年並みの範囲内です。

  • 葉物3種(レタス・キャベツ・はくさい):2111円(平年から逆算した合計は約1053円、差額は約1060円)
  • 平年並みの3種(だいこん・にんじん・たまねぎ):1061円(平年から逆算した合計は約1051円、差額は約10円)

3種を各1kg買うと1061円で、平年から逆算した合計は約1051円となります。

差額は約10円にとどまり、葉物3種の約1060円とは大きな開きです。

ただし、葉物とだいこんなどでは使い道が異なり、価格だけで置き換えられるとは限りません。

たとえば、はくさいの代わりに、だいこんやにんじんなど平年並みの根菜類を鍋に使うのも、家計を守る工夫の一つです。

4. 葉物高騰時の買い物、気をつけたい注意点は3つ

価格データを買い物に生かすときは、次の3点に気をつけましょう。

4.1 1つ目:農水省の価格は「全国平均で特売を除いた値」

調査の価格は全国470店舗の単純平均で、特売価格を含みません。

お住まいの地域や店、時期によって、実際の値札はこの数字と異なります。

試算の金額も目安として受け止め、まずは身近な店の値札で確かめるのが安心です。

4.2 2つ目:平年比は「去年との比較」ではない

平年比は過去5年間の平均価格との比較で、昨年同時期との比較ではありません。

去年より高いのかどうかは、この数字からは読み取れない点に注意しましょう。

過去の家計簿やレシートと比べるときは、比較の基準をそろえることが大切です。

4.3 3つ目:家庭菜園はすぐに家計の足しになるとは限らない

高い野菜を自分で育てようと考える方もいるかもしれません。

ただ、種のほかにプランターや培養土などの費用がかかり、収穫までには時間もかかります。

ハクサイやキャベツのような結球する野菜は、今から種をまいても年内の収穫が難しいでしょう。

家計の節約というより、育てる楽しみとして取り入れるのがおすすめです。

5. なぜ今、葉物は高い?農水省の見通しで産地の状況を確認

10月の主な葉物野菜の産地の状況と価格の見込み4/4

10月の主な葉物野菜の産地の状況と価格の見込み

出所:農林水産省「野菜の生育状況及び価格見通し(令和8年10月)について」をもとにLIMO編集部作成

価格が上がっている背景には、主産地の天候があります。

農林水産省が9月30日に公表した「野菜の生育状況及び価格見通し(令和8年10月)について」を見てみましょう。

この資料に示された、10月の品目別の見込みは次のとおりです。

  • はくさい:長野県産で9月の長雨と日照不足により生育不良や歩留まりの低下が出ており、出荷数量は平年を下回り、価格は平年を上回って推移する見込みです
  • レタス:長野県産と群馬県産で同様の生育不良があり、茨城県産も日照不足の影響を受けています。価格は平年を上回って推移する見込みです
  • キャベツ:群馬県産で日照不足と低温により生育が遅れ、やや小玉傾向です。見通しでは10月前半は平年並み、後半はやや平年を上回るとされていました。10月13日〜14日の調査では平年比189%と、見通しを大きく上回る水準でした
  • ほうれんそう:群馬県、茨城県、栃木県で長雨と日照不足により播種や生育が遅れており、価格はやや平年を上回って推移する見込みです

見通しは10月分の予測であり、実際の価格は週ごとに変わります。

農林水産省の次の公表も、あわせて確認しておくと安心でしょう。

6. まとめにかえて|値札と平年比を見比べて、買い物を組み立てる

農水省の10月20日公表データでは、レタスが1kg1211円、キャベツが376円、はくさいが524円でした。

いずれも平年を大きく上回る水準です。

葉物3種を各1kg買うと2111円で、平年から逆算した約1053円より約1060円高くなります。

一方、だいこん・にんじん・たまねぎの3種は1061円で、平年並みの水準でした。

まずはお住まいの店で値札を確かめ、高い野菜は買う量や回数を調整してみてはいかがでしょうか。

平年並みの野菜を組み合わせるのも、無理なく続けやすい工夫です。

参考資料