専業主婦が一般的だったひと昔前とは違い、働きながら家事・育児をこなす女性たちが増える一方で、周囲から求められる「良き母親像」や「嫁として求められるふるまい」とのギャップに苦しむ人も多いようです。

今回は、そうした価値観のズレから義両親や夫とギクシャクしてしまった、理想に応えられない罪悪感ゆえに帰省ブルーになった、といった体験談をご紹介します。

良い母親に良い嫁…義両親はまだしも夫まで…

働くママたちが義両親からかけられた言葉のなかには、「夫が外で働いている間、家事や子どもの世話をきちんとするのが妻の役目」といった価値観が根強いことを感じさせるものが多くあります。

・「毎日必死に仕事と家事をこなしているのに、姑から『仕事ばかりで、家事の手を抜いているんじゃないの?』『子どもたちにもっとちゃんとした食事を作らなきゃダメよ』と言われてしまいました。専業主婦ならまだしも共働きの私にそこまで求められても、とてもやっていられません」

・「家計を助けるためフルタイムで働いて毎日ぐったりで、正直、掃除など家事が行き届いているとは言えない状況です。それにしたって舅から『息子(夫)を大事にしろ、子供が寂しがってかわいそうだ』と言われたときには、さすがに『その息子の稼ぎだけじゃやっていけないから必死に働いているんですー!』と言い返したくなりました…」

義両親の世代には、まだまだこうした「家事育児は女性の仕事」「良き妻・良き母であれ」という考え方を持つ人が多く、押し付けられる理想像にウンザリしてしまうこともあるでしょう。さらには、そうした価値観の両親のもとで育てられた男性のなかにも、根強い「母親像」を抱いている人がいます。義両親だけでなく夫からも「家のことは女性がやるもの」というプレッシャーを受けて、家事や育児への協力も得られず苦労している、といったパターンもあるようです。

せめて夫には、あなたが育った専業主婦の家庭とは違うこと、もはや家事や育児は女性だけの仕事ではないはずだということを伝えて、「良き母親像」だけでなく「現代の父親像」についても夫婦で話し合っていきたいですね。

求められる「可愛い嫁としてのふるまい」ができない罪悪感

義両親のひと言が原因で、お盆や年末年始の帰省のたびにブルーな気分になってしまう、という人たちもいます。

・「酔った舅から『孫は可愛いけれど嫁は可愛くない』と言われました。それ以来『可愛いがられる嫁にならなくちゃ』という考えが頭から離れず、ちょっとした言動にも気を使うせいで、精神的に疲れてしまいます。年末年始が憂鬱です」

・「夫は二人兄弟で、義実家への帰省ではいつも弟の家族と一緒になります。『ゆっくりくつろいでね』という姑に対して、弟の妻は『ではお言葉に甘えて!ありがとうございま~す』と本当にダラダラしてばかり。自分の子どもの世話ですら義両親や私に任せきりの、ハッキリ言っていい加減なタイプの嫁です。けれど義両親は、姑と一緒に大人数分の料理を用意したり親戚の子どもたちの相手をしたりと忙しく働いている私よりも、弟のお嫁さんのほうを可愛がります。ああいうのが「甘え上手な可愛い嫁」なんだな、と頭では分かっているのですが、私は不器用なので下手に真似するようなこともできません。心身ともにただただ疲れ果てて、帰省の度に自己嫌悪しています…」

義両親と仲良くやっていきたい、気に入られたいという気持ちがあるからこそ、求められる「可愛がられる嫁像」と自分とのギャップを感じて悩んでしまうようです。責任感の強い人ほど、望ましいふるまいができていないことで義両親に対する罪悪感を持ってしまうのかもしれません。

理想に押しつぶされず、自分らしくあるために