5. 国の実施要綱は、市町村民税非課税世帯をひとり親家庭などと並べて利用支援の対象にしている

ファミリー・サポート・センター事業には、こども家庭庁が定めた実施要綱があります。この要綱は、住民税非課税世帯をファミリー・サポート・センターの利用を支える対象として明記しています。

5.1 ファミリー・サポート・センターの実施要綱が挙げる「ひとり親家庭等」の範囲

実施要綱(令和7年4月1日に一部改正)は、利用支援の対象を次のように定めています。

ひとり親家庭、低所得者(生活保護世帯、市町村民税非課税世帯)、ダブルケア負担の世帯(育児と親等の介護を同時に行っている世帯)及び障害児、多胎児のいる家庭など、配慮が必要な子育て家庭等(以下「ひとり親家庭等」という。)

出所:こども家庭庁「子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)実施要綱」

5.2 国の利用支援は4つ。利用料の助成は市町村ごとに決めている

実施要綱が示す利用支援の内容は、次の4つです。市町村がこのいずれかを行うと、国の補助に加算がつきます。

  • 提供会員を優先して調整する
  • 提供会員の活動時間の制限をなくし、早朝・夜間・宿泊・休日の受け入れなどに柔軟に対応する
  • 提供会員へ助成する
  • 外出が難しい家庭には、活動前の事前顔合わせなどを自宅で行う

依頼会員が払う利用料そのものを助成するかどうか、どこまで助成するかは、市町村がそれぞれ決めています。松江市の全額、文京区の半額のように内容に差があるのはこのためです。

6. ファミリー・サポート・センターの助成で、交通費・おやつ代・キャンセル料は対象外

住民税非課税世帯への助成で安くなるのは、ファミリー・サポート・センターの利用料そのものです。援助を頼むときにかかるほかの費用は、助成の対象にならないことがあります。

6.1 松江市は実費とキャンセル料を除き、当日の取り消しは基準額の50%がかかる

松江市の助成では、交通費、ミルク代、おやつ代などの実費負担分と、キャンセル料が対象外です。キャンセル料は、前日までの取り消しなら無料ですが、当日の取り消しは基準額の50%、連絡のない取り消しは全額がかかります。

文京区の助成でも、キャンセル料などは対象外とされています。子どもの体調で予定が変わりやすい時期は、取り消しの期限を事前の打ち合わせで確かめておくと、思わぬ負担を避けられます。

6.2 助成の申請には、援助活動の報告書と非課税の証明が要る

松江市では、交付申請書兼請求書に、利用時に受け取る「援助活動の報告」と、対象の世帯であることの証明書を添えて、こども家庭支援課に出します。市町村民税非課税世帯の証明書は、松江市に住所があり、市が確認することに同意すれば省略できます。

文京区では、住民税非課税証明書(コピー可)、申請書兼口座振替依頼書、ファミリー・サポート・センターの活動報告書兼領収書をそろえます。利用のたびに受け取る報告書や領収書は、申請までまとめて保管しておきましょう。

7. ファミリー・サポート・センターの提供会員は依頼会員の4分の1に満たない。登録と事前打ち合わせは早めに

助成の対象になっていても、預かってくれる提供会員が見つからなければ使えません。提供会員の数は、依頼会員に比べて少ないのが実情です。

7.1 柏市は利用会員2363人に対し、協力会員は325人

全国では依頼会員の約60万人に対し、提供会員は約14万人です。千葉県柏市でも、令和8年8月31日時点で利用会員が2363人、協力会員が325人、両方会員が176人でした。

柏市の預かりは原則として協力会員の自宅か市内の子育て支援施設で行い、利用会員の自宅では行いません。どこで、だれに預けるのかは市区町村ごとに違うので、会員登録の説明で確かめておくと安心です。

7.2 世帯に住民税が課税されている人がいれば、文京区の助成は受けられない

文京区は、同じ世帯に住民税が課税されている人がいる場合は対象外としています。夫婦のどちらかが働き始めて課税になったときや、課税されている親と同居を始めたときは、その年度から助成を受けられなくなることがあります。

世帯の状況が変わる予定があるときは、助成を申請する前に、市区町村の子育て支援の担当課で対象になるかを確かめておきましょう。

8. まとめ

ファミリー・サポート・センターは令和6年度に1009市町村で実施され、利用料は1時間あたり数百円が目安です。松江市は市町村民税非課税世帯の利用料を全額、文京区は住民税非課税世帯の利用料を半額助成していますが、交通費やおやつ代などの実費とキャンセル料は対象外です。

国の実施要綱は市町村民税非課税世帯を利用支援の対象に挙げていますが、利用料の助成の有無や割合、申請の期限は市区町村ごとに決まっています。お住まいの市区町村のファミリー・サポート・センターや子育て支援の担当課で確かめておきましょう。

参考資料

和田 直子