保育園のお迎えに間に合わない日や、上の子の行事で下の子を少しの間だけ見ていてほしい日。そんなときに、地域の会員に送迎や預かりを頼めるのがファミリー・サポート・センターです。ただ、1時間ごとに利用料がかかるため、頼むのをためらう家庭もあるでしょう。

こども家庭庁の資料によると、ファミリー・サポート・センター事業を実施する市町村は令和6年度に1009ありました。島根県松江市は市町村民税非課税世帯の利用料を全額、東京都文京区は住民税非課税世帯の利用料を半額、それぞれ助成しています。

この記事では、ファミリー・サポート・センターのしくみと利用料の目安、松江市と文京区の住民税非課税世帯への助成の内容、住民税非課税の判定基準を、こども家庭庁と自治体の案内をもとに確認します。

1. ファミリー・サポート・センターは、子どもの送迎や預かりを地域の会員どうしで頼み合う市町村の事業

ファミリー・サポート・センター事業(子育て援助活動支援事業)は、子どもの預かりの援助を受けたい人と、援助を行いたい人が会員になり、地域で助け合う事業です。実施主体は市町村(特別区を含む)で、国と都道府県、市町村が費用を3分の1ずつ負担しています。

1.1 ファミリー・サポート・センターの実施市町村は令和6年度に1009、依頼会員は約60万人

こども家庭庁の資料では、援助を受けたい「依頼会員(預ける側)」は約60万人、援助を行う「提供会員(預かる側)」は約14万人、両方を兼ねる「両方会員」は約4万人です。実施する市町村は令和5年度の996から、令和6年度は1009に増えました。

ファミリー・サポート・センターの実施市町村と会員数1/2

ファミリー・サポート・センター事業の実施市町村数が令和5年度の996から令和6年度は1009に増えたことと、依頼会員が約60万人、提供会員が約14万人、両方会員が約4万人であることを示した棒グラフ

出所:こども家庭庁「子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)」をもとにLIMO編集部作成

相互援助活動の例として、こども家庭庁は次のようなものを挙げています。

  • 保育施設や放課後児童クラブなどまでの送迎
  • 保育施設の開始前・終了後や学校の放課後の預かり
  • 冠婚葬祭や買い物などで外出するときの預かり

1.2 ファミリー・サポート・センターの利用料は1時間あたり数百円が目安

利用料は市区町村ごとに決まっていて、援助が終わったあとに依頼会員が提供会員へ直接支払うのが一般的です。千葉県柏市では令和8年4月に料金を改定し、平日の午前7時から午後8時までは1時間700円、午前6時から7時と午後8時から10時、土日・祝日・年末年始は1時間900円になりました。

松江市は子ども1人・30分あたりの基準額を、平日の午前7時から午後7時までは300円、それ以外の時間と土日・祝日は400円としています。どちらの市も、交通費や食事代などの実費は利用料とは別にかかります。

2. 松江市のファミリー・サポート・センターは、市町村民税非課税世帯なら利用料を全額助成

ファミリー・サポート・センターの利用料には、住民税非課税世帯などを対象にした助成を設けている市区町村があります。島根県松江市は「まつえファミリーサポートセンター利用料金助成制度」で、世帯の区分に応じて利用料を助成しています。

松江市と文京区のファミリー・サポート・センター利用料の助成2/2

松江市は生活保護世帯と市町村民税非課税世帯に利用料の全額、ひとり親世帯に半額を助成し、文京区は住民税非課税世帯と生活保護受給世帯に半額を助成することと、対象外の費用や申請の期限を比べた表

出所:松江市「まつえファミリーサポートセンター利用料金助成制度」、文京区「子育て支援事業利用料等助成制度」をもとにLIMO編集部作成

2.1 松江市は生活保護世帯と市町村民税非課税世帯は全額、ひとり親世帯は半額

松江市の助成を受けられるのは、松江市に住民登録をしている「おねがい会員」(依頼会員)で、次のいずれかに当てはまる世帯です。

  • 生活保護世帯:対象となる費用の全額
  • 市町村民税非課税世帯:対象となる費用の全額
  • ひとり親世帯:対象となる費用の半額

助成の対象は、まつえファミリーサポートセンターの利用時に支払った料金で、40時間分までが上限です。申請の期限は、利用した年度の3月31日までです。

2.2 平日の日中に月8時間使うと利用料は4800円、市町村民税非課税世帯は全額が助成の対象

松江市の基準額で、子ども1人を平日の午前7時から午後7時までの間に月8時間預けた場合を計算してみます。30分300円なので、1時間あたり600円です。

  • 利用料:600円×8時間=4800円
  • 市町村民税非課税世帯:4800円の全額が助成の対象
  • ひとり親世帯:半額の2400円が助成の対象

実費の交通費やおやつ代などは助成されないため、その分は世帯の負担として残ります。

3. 文京区は住民税非課税世帯にファミリー・サポート・センターの利用料の半額を助成

東京都文京区は「子育て支援事業利用料等助成制度」で、住民税非課税世帯と生活保護受給世帯に、文京区社会福祉協議会が実施するファミリー・サポート・センターの利用料の半額を助成しています。対象は、利用した日に文京区に住所がある世帯です。

3.1 文京区は課税状況を利用日で確かめ、10月の利用分からは令和8年度の課税状況で判定

文京区の助成では、住民税が非課税かどうかを、申請した時点ではなく利用した日の時点で確かめます。

  • 2026年4月から9月の利用分:令和7年度の課税状況(令和6年中の所得)
  • 2026年10月から2027年3月の利用分:令和8年度の課税状況(令和7年中の所得)

仮に1か月の利用料が4800円だった場合、文京区では半額の2400円が助成されます。2025年に収入が増えて令和8年度に課税になった世帯は、10月の利用分から助成の対象から外れる点に注意が必要です。

3.2 文京区の申請の期限は、利用日の3か月後の月末まで

文京区の申請の期限は、原則として利用日の3か月後の月末までで、この日までに届いている必要があります。窓口、郵送、電子申請のいずれかで申請でき、ファミリー・サポート・センターの「活動報告書兼領収書」などを添えて出します。

4. 住民税非課税の判定基準は3つ。松江市の目安は扶養なしで合計所得金額41万5000円以下

ファミリー・サポート・センターの助成で使われる住民税非課税かどうかは、前年の所得をもとに市区町村が判定します。基準となる金額は、住んでいる市区町村によって違います。

4.1 松江市で市民税・県民税の均等割も所得割もかからない人

松江市の案内では、次のいずれかに当てはまる人は、市民税・県民税の均等割も所得割もかかりません。

  • 生活保護法による生活扶助を受けている
  • 障害者、未成年者、寡婦またはひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下
  • 同一生計配偶者・扶養親族がなく、前年中の合計所得金額が41万5000円以下
  • 同一生計配偶者・扶養親族があり、前年中の合計所得金額が31万5000円×(同一生計配偶者・扶養親族の数+1)+18万9000円+10万円以下

夫婦と子ども1人の3人家族(扶養親族などが2人)なら、31万5000円×3+18万9000円+10万円で123万4000円以下が目安です。所得割だけがかからない基準もありますが、住民税非課税世帯といえるのは均等割もかからない場合です。

4.2 住民税非課税世帯は、世帯の全員が非課税の世帯

住民税には「均等割」と「所得割」があり、この両方が課税されない状態を「住民税非課税」と呼びます。そして、世帯全員が住民税非課税である場合、その世帯は「住民税非課税世帯」に該当します。

 

ファミリー・サポート・センターは令和6年度に1009市町村で実施されていて、利用料は1時間あたり数百円が目安です。住民税非課税世帯の利用料を、松江市は全額、文京区は半額助成しています。

 

住んでいる市区町村のホームページで「ファミリー・サポート・センター」と「利用料 助成」を調べると、助成の有無と申請の期限を確かめられます。

ここからは、国の実施要綱が住民税非課税世帯をどう位置づけているかと、助成の対象にならない費用、提供会員が少ないなかで使うための準備を見ていきます。