4. 共働き世帯の黒字は月23万2687円で、夫のみ有業の世帯の約1.8倍

家計調査2025年平均では、夫婦共働き世帯の黒字は月23万2687円、夫のみ有業の世帯は月12万7805円でした。黒字の大きさを、手取りのうち生活費に使った割合からも確認します。

4.1 手取りのうち生活費に使った割合は、共働き世帯60.6%、夫のみ有業の世帯73.5%

可処分所得のうち消費支出に使った割合を平均消費性向といいます。夫婦共働き世帯は60.6%、夫のみ有業の世帯は73.5%です。

夫のみ有業の世帯では手取りの7割余りが生活費に回り、夫婦共働き世帯は6割程度にとどまっています。

4.2 黒字には住宅ローンの元本の返済も含まれる

家計調査の黒字は、預貯金や保険の積み立てだけでなく、住宅ローンなどの借金の元本を返した分も含みます。土地や家屋の借金の純減は、夫婦共働き世帯が月4万1257円、夫のみ有業の世帯が月1万3346円でした。

持家率は夫婦共働き世帯が84.4%、夫のみ有業の世帯が81.0%です。黒字が多い世帯でも、その一部は住宅ローンの返済に回っています。

5. 妻の勤め先収入が月8万円以上の世帯は、生活費が月38万8369円

家計調査の第3-11表では、夫婦共働き世帯のうち世帯主が夫で妻が勤労者の世帯を、妻の勤め先収入が月8万円未満か8万円以上かでも分けて集計しています。

5.1 妻の勤め先収入が月8万円未満の世帯と8万円以上の世帯の収支

夫婦共働き世帯全体を1万とした世帯数の分布では、妻の勤め先収入が月8万円未満の世帯が1379、8万円以上の世帯が6405です。2025年平均の収支は次のとおりでした。

【妻の勤め先収入が月8万円未満の世帯】

  • 世帯主の配偶者の収入:5万7488円
  • 消費支出:33万9554円
  • 黒字:19万5306円

【妻の勤め先収入が月8万円以上の世帯】

  • 世帯主の配偶者の収入:26万2365円
  • 消費支出:38万8369円
  • 黒字:28万5635円

5.2 配偶者の収入の差は月20万4877円、生活費の差は月4万8815円

妻の勤め先収入が月8万円以上の世帯は、8万円未満の世帯と比べて配偶者の収入が月20万4877円多く、生活費は月4万8815円多くなっています。

費目では、自動車等関係費が月4万7077円と3万936円、外食が月2万1892円と1万7010円でした。配偶者の収入が多い世帯ほど、車や外食にかける金額も大きくなっています。

6. 共働きで増えた手取りは、夫婦それぞれの名義で残す先を決めておく

共働きの家計では、夫婦それぞれの給与口座から生活費を出し合う形になりやすく、残ったお金がどの口座にいくらあるのかを、夫婦の一方しか把握していないことも起こりがちです。

家計調査の平均では黒字が大きくても、置き場所が決まっていないお金は、日々の支出に回りやすくなります。

6.1 世帯の手取りを合算し、毎月残す額を先に決める

家計調査の数字では、共働き世帯は生活費が大きく変わらないまま、手取りの差が黒字の差になっていました。家庭でも同じ形を保つには、夫婦の手取りを合わせた額から、毎月残す額を先に決めておくことが大切です。

給料日に、決めた額を貯蓄用の口座へ自動で移す設定にしておけば、生活費が少しずつ膨らんでも、残す分が先に確保されます。

6.2 NISAの口座は夫婦それぞれの名義で開設できる

NISAの口座は、18歳以上であれば1人1口座ずつ開設できます。共働きで2人とも収入があるなら、それぞれの名義の口座を使い、配偶者の収入から積み立てる分を分けておく方法もあります。

出産や育児、介護などで配偶者の収入が減る時期は、世帯の黒字も小さくなります。収入が2人分ある間に、その時期の生活費をどう賄うかを夫婦で話し合っておくと安心です。

7. まとめ

総務省の家計調査2025年平均では、勤労者世帯の生活費は夫婦共働き世帯が月35万8599円、夫のみ有業の世帯が月35万4463円でした。夫婦と子ども2人の世帯では、共働きでも夫のみ有業でも月37万円台です。

一方、手取りにあたる可処分所得は夫婦共働き世帯が月10万9018円多く、黒字は月23万2687円と夫のみ有業の世帯の約1.8倍でした。2026年8月分では、勤労者世帯の世帯主の配偶者の収入が実質2.5%減っています。夫婦の手取りを合わせた額から、毎月残す額を先に決めておきたいところです。

参考資料

和田 直子