夫婦がともに働くと、世帯の収入は増えます。では、毎月の生活費も同じように増えているのでしょうか。
総務省の家計調査(家計収支編)2025年平均には、会社などに勤める世帯を「夫婦共働き世帯」と「夫のみ有業の世帯」に分けて、収入と支出を比べた統計表があります。共働き世帯の生活費(消費支出)は月35万8599円、夫だけが働く世帯は月35万4463円でした。
この記事では、共働き世帯と夫のみ有業の世帯の生活費と手取りの差、子どもの人数別の生活費、2026年8月の家計調査で出た世帯主の配偶者の収入の動きを確認します。
1. 家計調査2025年平均、共働き世帯の生活費は月35万8599円で夫のみ有業の世帯との差は4136円
家計調査の勤労者世帯について、夫婦共働き世帯と夫のみ有業の世帯の生活費を比べます。先に、2つの世帯がどのように分けられているかを押さえておきます。
1.1 家計調査の「夫婦共働き世帯」と「夫のみ有業の世帯」
ここで扱うのは、二人以上の世帯のうち、世帯主が会社や官公庁などに勤めている勤労者世帯です。家計調査の第3-11表では、この勤労者世帯を妻の就業状態で分けて集計しています。
夫婦共働き世帯は、夫婦がともに仕事をしている世帯です。子どもなど夫婦以外の家族も働いている世帯を含むため、有業人員は平均2.19人です。夫のみ有業の世帯は、働いているのが夫だけの世帯を指します。
2025年平均の世帯の姿は、夫婦共働き世帯が世帯人員3.35人・世帯主の平均年齢49.6歳、夫のみ有業の世帯が世帯人員3.06人・世帯主の平均年齢51.9歳です。
1.2 夫婦共働き世帯と夫のみ有業の世帯の1か月の収支(2025年平均)
家計調査で生活費にあたるのは消費支出です。税金や社会保険料は含まれません。実収入から税金や社会保険料を差し引いた手取りが可処分所得で、可処分所得から消費支出を差し引いた残りが黒字です。
夫婦共働き世帯と夫のみ有業の世帯の1か月の収支(二人以上の世帯のうち勤労者世帯・2025年平均)1/2
出所:総務省「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 2025年(第3-11表)」を参考にLIMO編集部作成
【夫婦共働き世帯】
- 実収入:72万6083円
- 可処分所得:59万1285円
- 消費支出:35万8599円
- 黒字:23万2687円
【夫のみ有業の世帯】
- 実収入:60万296円
- 可処分所得:48万2267円
- 消費支出:35万4463円
- 黒字:12万7805円
可処分所得は夫婦共働き世帯のほうが月10万9018円多い一方、消費支出の差は月4136円です。手取りの差のほとんどが、黒字の差(月10万4882円)になっています。
夫婦共働き世帯の実収入のうち、世帯主の配偶者の収入は月18万1891円で、実収入の約25%にあたります。世帯主の収入は月48万7587円で、夫のみ有業の世帯(月51万8159円)より3万572円少なくなっています。
2. 子どもの人数別にみると、夫婦と子ども2人の世帯の生活費は共働きでも夫のみ有業でも月37万円台
夫婦共働き世帯と夫のみ有業の世帯では、世帯人員や子どもの人数の平均が少し違います。家計調査では、夫婦と未婚の子どもの人数がそろった世帯どうしでも生活費を比べられます。
2.1 世帯の形別にみた1か月の生活費(2025年平均)
ここでの夫婦共働き世帯は、働いているのが夫婦だけの核家族世帯の数字です。
世帯の形別にみた1か月の消費支出(二人以上の世帯のうち勤労者世帯・2025年平均)2/2
出所:総務省「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 2025年(第3-11表)」を参考にLIMO編集部作成
【夫婦のみの世帯】
- 夫婦共働き世帯:33万9993円
- 夫のみ有業の世帯:33万8817円
【夫婦と未婚の子ども1人の世帯】
- 夫婦共働き世帯:35万8193円
- 夫のみ有業の世帯:34万4922円
【夫婦と未婚の子ども2人の世帯】
- 夫婦共働き世帯:37万2726円
- 夫のみ有業の世帯:37万2911円
夫婦と子ども2人の世帯では、夫のみ有業の世帯のほうが185円多く、ほぼ同じ水準です。差が最も大きいのは夫婦と子ども1人の世帯で、月1万3271円でした。
夫婦のみの世帯は、世帯主の平均年齢が夫婦共働き世帯で55.1歳、夫のみ有業の世帯で62.5歳と離れています。年齢の違いも重なっている点には注意が必要です。
2.2 夫婦共働き世帯で多いのは交通・通信、少ないのは保健医療と住居
夫婦共働き世帯全体と夫のみ有業の世帯全体で、10大費目の差を見ると次のとおりです。
- 交通・通信:夫婦共働き世帯6万1344円、夫のみ有業の世帯5万5611円(共働きが5733円多い)
- 教育:夫婦共働き世帯2万950円、夫のみ有業の世帯1万8317円(共働きが2633円多い)
- 保健医療:夫婦共働き世帯1万4249円、夫のみ有業の世帯1万6717円(共働きが2468円少ない)
- 住居:夫婦共働き世帯1万8923円、夫のみ有業の世帯2万1080円(共働きが2157円少ない)
- 教養娯楽:夫婦共働き世帯3万4861円、夫のみ有業の世帯3万7494円(共働きが2633円少ない)
交通・通信のうち、自動車の購入や維持にかかる自動車等関係費は、夫婦共働き世帯が月4万149円、夫のみ有業の世帯が月3万5734円でした。食料のうち外食は月2万315円と1万9012円で、差は1303円です。
3. 2026年8月の家計調査、勤労者世帯の世帯主の配偶者の収入は月10万43円で実質2.5%減
総務省は2026年10月9日に、家計調査の2026年8月分を公表しました。共働き世帯の収入を支える世帯主の配偶者の収入が、前年と比べてどう動いたかを確認します。
3.1 世帯主の収入は実質0.4%増、配偶者の収入は実質2.5%減
2026年8月の二人以上の世帯のうち勤労者世帯の実収入は月61万6704円で、前年同月と比べて名目1.3%増、物価の変動を除いた実質で0.9%減でした。
内訳をみると、世帯主の収入は月41万620円で実質0.4%増、世帯主の配偶者の収入は月10万43円で実質2.5%減です。実収入の実質の増減率には、持家の帰属家賃を除く総合の消費者物価指数が使われています。
3.2 月次の配偶者の収入は、働いていない配偶者も含めた平均
月10万43円は、勤労者世帯全体の平均です。世帯主の配偶者が働いていない世帯も含まれるため、2025年平均の夫婦共働き世帯の配偶者の収入(月18万1891円)とは比べられません。
2026年8月分の勤労者世帯では、世帯主の配偶者のうち女性の有業率は59.7%でした。
家計調査2025年平均では、勤労者世帯の生活費は夫婦共働き世帯が月35万8599円、夫のみ有業の世帯が月35万4463円で、差は4136円でした。手取りにあたる可処分所得の差は月10万9018円です。
自分の世帯と比べるときは、給与明細の差引支給額を夫婦で合わせて手取りを出し、家計簿の生活費と並べると、毎月どれだけ残っているかを確かめられます。
ここからは、共働き世帯の黒字の大きさと、配偶者の収入の水準で変わる生活費を見ていきます。
共働きでも、生活費の平均は夫だけが働く世帯とあまり変わりません。違いが出るのは、手取りから生活費を払ったあとに残る額です。
家計を見直すときは、夫婦の手取りを合わせた世帯の数字で、毎月いくら残せているかを確かめておくと安心です。
