5. 【世帯の種類ごとに見ると】高齢者世帯273万円、高齢者世帯以外600万円、65歳以上の人がいる世帯349万円
調査では、全世帯と児童のいる世帯のほかにも、世帯の種類ごとに所得の中央値をまとめています。2024年の所得の中央値は、65歳以上の人だけか、それに18歳未満の人が加わった「高齢者世帯」で273万円、それ以外の「高齢者世帯以外の世帯」で600万円、「65歳以上の者のいる世帯」で349万円でした。
1世帯当たり平均所得金額は、高齢者世帯で336万1000円、高齢者世帯以外の世帯で700万7000円、65歳以上の者のいる世帯で470万3000円です。どの世帯の種類でも、平均所得金額は中央値を上回っています。
同じ世帯年収でも、世帯の人数や働いている人の数、年金が中心の暮らしかどうかなど、さまざまな事情によって中身は変わってきます。世帯の種類ごとの数字は、それぞれの暮らしの形を知るための手がかりとして並べています。比べるときは、自分の世帯がどの種類にあたるかを先に確かめ、同じ種類の中央値と並べると、比べ方がずれにくくなります。
6. 【わが家の世帯年収は】源泉徴収票などで、税金を差し引く前の金額を足してみる
自分の家の世帯年収を調査の数字と並べて見るときは、世帯の全員の所得を、税金や社会保険料を差し引く前の金額で足し合わせてみましょう。
会社員なら、勤め先から受け取る源泉徴収票の「支払金額」が、税金などを差し引く前の給与の金額です。老齢年金などを受け取っている方は、日本年金機構から届く公的年金等の源泉徴収票で、1年間に受け取った年金の金額を確かめられます。自営業の方は、確定申告書の控えが手がかりになります。
調査の所得には児童手当なども含まれるため、受け取っている手当があれば足して考えます。手取りで比べたい場合は、可処分所得の平均と並べるほうが、実感に近くなります。調査では、世帯人員1人当たりの平均所得金額も示されており、全世帯で259万2000円、児童のいる世帯で220万4000円でした。
世帯年収がどのあたりにあるかが分かったら、それをもとに、毎月の生活費や教育費、老後に向けた備えにどのくらい回せるかを整理してみましょう。共働きかどうか、子どもが何歳になるか、いつまで働くかによって、世帯の所得はこれからも変わっていきます。数年ごとに源泉徴収票を見直し、家計の予定を立て直していくと、変化に合わせた備えを考えやすくなります。今後、働き方を変える時期や、子どもの進学で出費が増える時期を家計の予定表に書き込んでおくと、これからのキャリアとマネープランを一緒に考えやすくなるでしょう。
7. まとめにかえて
2025年の国民生活基礎調査によると、2024年の1世帯当たり平均所得金額は全世帯で575万2000円、中央値は451万円でした。1000万円以上をのぞく100万円ごとの区分では「200〜300万円未満」が13.5%ともっとも多く、全世帯の61.5%は平均所得金額以下です。
18歳未満の子どもがいる世帯では、平均が857万3000円、中央値が766万円で、1000万円以上をのぞくと「700〜800万円未満」が11.7%ともっとも多くなっていました。調査の所得は税金や社会保険料を差し引く前の金額で、手取りに近い可処分所得は全世帯の平均で439万4000円です。世帯の種類ごとの中央値は、高齢者世帯で273万円、高齢者世帯以外の世帯で600万円、65歳以上の者のいる世帯で349万円でした。世帯年収を比べるときは、平均と中央値の両方を見て、税金を差し引く前か後かをそろえることを意識しておきましょう。今後の家計の計画を立てる前に、源泉徴収票や年金の通知を開いて、世帯の全員分を足した金額を出してみてください。
8. 編集部よりコメント
1つ目は、税金などが引かれる前の金額か、引かれたあとの金額かです。調査の所得は税引前の金額なので、源泉徴収票の支払金額のような税引前の数字と並べるのが基本になります。手取りで比べたいときは、可処分所得の平均と並べると、毎月の家計の実感に近くなります。
2つ目は、どの世帯と比べるかです。全世帯には年金で暮らす世帯やひとり暮らしの世帯も含まれ、子育て世帯とは所得の形が違います。子育て中なら児童のいる世帯の数字、65歳以上の方だけで暮らしているなら高齢者世帯の数字というように、自分に近い世帯の種類を選ぶと、受け止め方の食い違いが少なくなるでしょう。同じ種類の世帯でも、働いている人の数や子どもの年齢によって所得は変わるため、数字はあくまで目安として受け止めることも大切です。
数字は家計の見通しを立てるための目安です。手元の書類と一緒に確かめ、今後の家計や貯蓄計画の参考にしてみてください。
参考資料
宮野 茉莉子
