昨今のめざましいインターネットの普及を中心に、さまざまな働き方が成されている現在。その中でも「在宅ワーク」という働き方を選択する人がいます。

子どもが小さいからと退職もしくは休職し、自宅で主婦業に専念。子どもがある程度大きくなったら勤務を再開し出社……というパターンが従来の一般的な働き方ではないかと思います。

しかし、「小さい子どもがいても働きたい」「キャリアを中断するのは不安」「家にいるだけでは社会との関係性が断たれたようで孤独」という理由で、「自宅で働く」というスタイルを選択もしくは希望する女性が増えているのです。

「在宅ワーク」「ノマド」「テレワーク」の違い

在宅ワーク以外にも、似ている言葉として「ノマド」や「テレワーク」という言葉を耳にしたことがある方もいらっしゃると思います。ぼんやりと「どれも家で仕事することでしょう?」と認識している人も多いかもしれませんが、じつはざっくりとではありますが、以下のような違いがあります。

• 「在宅ワーク」:自宅で仕事をすること
• 「ノマド(ノマドワーク)」:好きな場所で仕事をすること
• 「テレワーク」:情報通信技術を使って、出社しないで働くこと

「在宅ワーク」とは、何かの機械の部品を作ったり、シール貼りといった内職作業も含まれます。つまり「自宅で仕事をする」ことであれば、その手段・方法は問いません。

「ノマド」とは、もともとフランス語の『遊牧民』という言葉からきています。好きな場所で好きな時に好きな仕事をするのがノマドワーカーです。例えば、カメラマンやその現場で旅行記を綴るライターなども、ノマドワーカーに該当します。

最後に「テレワーク」ですが、情報通信技術を用いることが前提となっていますので、多くがインターネットを介して仕事を行います。在宅のWebエンジニアなどをイメージして頂くと、分かりやすいのではないでしょうか。

スタートはおこづかい程度の報酬。今は正社員時代の給与を目指すまでに

Sさんが、在宅ワークにもっとも惹かれたところは、「どこでも働き続けることができる」という点でした。

「夫と結婚した時に、夫が他県勤務であったため、私は長年勤めていた会社を退職することになりました。そのことに後悔はありませんが、キャリアが中断されてしまったことが、残念でならなかったんです。もちろん、在職中に重ねたキャリアすべてが無駄だったわけではなく、経験として私の力になったと自負しています。でも、業務上直接、それが活かされるのは会社に勤務しているからこそ。退職した後に痛感しました。」

「在職中に、何か国家資格などを取得すればまだ違ったかもしれませんけれど…」と、Sさんは続けます。「そのような資格を取得したわけではなかった私には、退職後に目に見えて他に誇れるキャリアがありませんでした。」

在宅ワーカーとして自分自身のキャリアを重ねれば、どこにいても働き続けることができる…そう考えSさんは、在宅ライターとしての道を選択しました。

Sさんが在宅ライターとして開始した当初は、数百円という子どものおこづかいにも満たない程度の収入しかありませんでした。それでも頑張って続けたところ、活動を始めて2年後には、パート勤めと同じくらいの収入を得ることができるようになったといいます。
子ども達のイベントや予定を優先できるよう、スケジュール調整ができるところも、とても助かっているとのこと。

そして3年目に入った現在。Sさんの目標は、正社員として働いていた時の収入。「頑張って続けていきたいと思っています」と語るSさんの表情は、とても明るく、希望に満ちていました。

まとめ

在宅ワークに限ったことではありませんが、「継続」はとても大事なことといえます。

Sさんのケースでいえば、時を待って、外に勤めに出ればまとまった金額を定期的に得ることもできたでしょう。対して、在宅ワークは、内容にもよりますが、最初は数十円・数百円ということもよくあります。このため、早々に稼ぐことができないと判断し、断念してしまう人もたくさんいるとききます。

お金も自由もすべて手に入れる…それはとてつもなく難しいことともいえます。また、「在宅ワーカー」「ノマドワーカー」を悪用する詐欺なども報告されています。興味がある方は、厚生労働省の「在宅ワーカーのためのハンドブック」などを参考に始めてみると良いでしょう。

【参考】「在宅ワーカーのためのハンドブック」厚生労働省

LIMO編集部