4. 75歳の誕生日をはさんで、特定疾病療養受療証の手続きはこう進む
国民健康保険や会社の健康保険で特定疾病療養受療証を受けていた人も、75歳になって後期高齢者医療制度に加入したときは、改めて申請が必要です。都外からの転入などで新たに加入したときも同じです。
自治体で国民健康保険と後期高齢者医療の保険料を計算していた頃、75歳を迎えて資格が切り替わる人の相談を窓口で受けてきました。新しい保険証や資格確認書が届くと、それで手続きがすべて終わったと受け止める人も少なくありませんでした。
4.1 誕生月に入ったら、市区町村の後期高齢者医療の窓口で申請する
板橋区の案内では、窓口で申請するときに次のものが必要です。
- 後期高齢者医療の資格確認書
- マイナンバーカードまたは通知カード
- 医師の意見書、または前の保険で交付された特定疾病療養受療証など
前の保険の特定疾病療養受療証は、加入前に交付されていたことを示す書類として使えます。改めて医師の意見書を用意しなくてもよいことがあるので、手元に残しておくと申請が早く進みます。
4.2 特定疾病療養受療証は、原則として申請した月の初日から使える
特定疾病療養受療証は、原則として申請のあった日の属する月の初日から適用されます。75歳の誕生月のうちに申請すれば、その月の受診分から月1万円の上限を当てはめられます。
反対に、申請が翌月にずれると、適用もその月からになります。人工透析は毎週の通院が続くので、誕生月の前に必要な書類をそろえておくと慌てずに済みます。
5. 特定疾病療養受療証を申請するまでの間に、窓口で確かめておきたいこと
後期高齢者医療制度の限度額や受療証の扱いは、マイナ保険証を使うか、資格確認書を使うかでも手続きが変わります。加入の前後で迷いやすい点を、窓口で聞いておきます。
- 資格確認書を使う人は、特定疾病区分を記載した資格確認書を交付してもらえるか(板橋区では令和6年12月2日以降、任意記載事項欄に特定疾病区分を記載した資格確認書も交付できる)
- 住民税非課税世帯の人は、限度区分(区分II・区分I)の記載が必要か(マイナ保険証を持っていない人は、申請により資格確認書に限度区分を併記する自治体がある)
- 月の途中で75歳になった人は、誕生月の後期高齢者医療制度の自己負担限度額が2分の1になる(豊中市の案内)。誕生月の支払いがどう計算されるか
手続きの細かな扱いは、市区町村や広域連合の案内で異なる場合があります。75歳の誕生日が近づいたら、お住まいの市区町村の後期高齢者医療の担当窓口に電話で確かめておくと確実です。
6. まとめ
後期高齢者医療制度の窓口負担は、同じ世帯の被保険者の所得で1割・2割・3割に分かれ、毎年8月1日に判定し直されます。2026年8月からは高額療養費に年間の上限も設けられました。
人工透析が必要な慢性腎不全などの特定疾病は、特定疾病療養受療証があれば1つの医療機関ごとに月1万円が上限です。75歳で後期高齢者医療制度に加入したときは改めて申請が必要で、原則として申請した月の初日から適用されます。
前の保険の特定疾病療養受療証を手元に残し、誕生月の前に市区町村の窓口で必要な書類を確かめてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「後期高齢者の窓口負担割合の変更等(令和3年法律改正について)」
- 江東区「後期高齢者医療制度の医療費の負担割合」
- 豊中市「高額療養費制度/自己負担限度額について(令和8年8月)」
- 板橋区「特定疾病療養受療証(後期高齢者医療制度)」
太田 彩子