4. 保護施設は令和6年に284施設で前年より3施設減少、在所率は94.3%
厚生労働省の「令和6(2024)年社会福祉施設等調査の概況」によると、保護施設は令和6年10月1日現在で284施設でした。令和5年の287施設より3施設(1.0%)少なくなっています。
保護施設全体の定員は1万8562人、在所者数は1万7448人で、在所率は94.3%でした(※)。令和5年の95.3%より1.0ポイント低くなっています。定員と在所者数には、調査をしていない医療保護施設は含まれていません。
種類ごとに在所者数を定員で割ると、救護施設は99.4%、更生施設は76.6%、宿所提供施設は36.1%、授産施設は68.4%で、種類によって埋まり方に差があります(LIMO編集部で計算)。
※※定員・在所者数・在所率は厚生労働省『令和6年社会福祉施設等調査』の公表値。在所率は不詳施設等を除外して算出されているため、表の公表合計値での計算結果(約94.0%)とは異なります。
5. 生活扶助基準額の例、3人世帯(33歳、29歳、4歳)は令和8年10月1日現在で東京都区部等が月16万8020円
居宅で保護を受ける場合の生活扶助の目安として、厚生労働省の「生活保護制度に関するQ&A」に載っている、令和8年10月1日現在の生活扶助基準額の例を並べます。いずれも児童養育加算等を含む額です。
- 3人世帯(33歳、29歳、4歳):東京都区部等16万8020円、地方郡部等15万370円
- 高齢者単身世帯(68歳):東京都区部等7万7980円、地方郡部等6万9950円
- 高齢者夫婦世帯(68歳、65歳):東京都区部等12万5460円、地方郡部等11万1720円
- 母子世帯(30歳、4歳、2歳):東京都区部等20万50円、地方郡部等17万9300円
居宅で暮らす場合は、生活扶助のほか、必要に応じて住宅扶助や医療扶助なども支給されます。
6. 施設への入所を考えるときは、本人の口座とお金の流れを先に確かめる
家族の暮らし方が変わる場面では、本人の口座に何が入り、何が引き落とされているのかを家族が把握していないことが少なくありません。施設への入所を考えるときも同じです。
本人とケースワーカーを交えて相談する前に、次の点を整理しておくと話が進みやすくなります。
- 本人がどこで、どのように暮らしたいと考えているか
- 年金などの収入が入る口座と、家賃や公共料金が引き落とされている口座
- 入所した場合に、いまの住まいの契約や公共料金をどうするか
施設に入った場合の保護費の扱いや手元に残るお金の額は、福祉事務所で具体的に確かめておきましょう。
7. まとめ
被保護者調査(令和8年7月分概数)によると、生活保護を受けている世帯(保護停止中を除く)は163万5284世帯で、高齢者世帯が55.2%、障害者・傷病者世帯が25.6%でした。
生活保護法第30条は、生活扶助を居宅で行うことを原則とし、施設への入所を本人の意に反して強制できないと定めています。そのうえで、保護施設は救護施設、更生施設、医療保護施設、授産施設、宿所提供施設の5種類があり、令和6年10月1日現在で284施設でした。最も多い救護施設は185施設で、定員のほぼすべてが埋まっています。
家族の暮らし方を見直すときは、本人の希望を前提に、福祉事務所で居宅と施設のどちらで保護を受けるのかを相談してみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「被保護者調査(令和8年7月分概数)」
- e-Gov法令検索「生活保護法」
- 厚生労働省「令和6(2024)年社会福祉施設等調査の概況」
- 厚生労働省「生活保護制度に関するQ&A」
- 厚生労働省「生活保護制度」
和田 直子