4. 生活扶助基準額の例、68歳のひとり暮らしは令和8年10月1日現在で東京都区部等が月7万7980円

世帯の認定が変わると、生活扶助の額も変わります。厚生労働省の「生活保護制度に関するQ&A」に載っている、令和8年10月1日現在の生活扶助基準額の例を見てみます。

生活扶助基準額の例(令和8年10月1日現在)を世帯の例ごとに並べた表です2/2

令和8年10月1日現在の生活扶助基準額の例を東京都区部等と地方郡部等で比べた表。高齢者単身世帯(68歳)は7万7980円と6万9950円、高齢者夫婦世帯(68歳、65歳)は12万5460円と11万1720円、3人世帯(33歳、29歳、4歳)は16万8020円と15万370円、母子世帯(30歳、4歳、2歳)は20万50円と17万9300円。児童養育加算等を含む

出所:厚生労働省「生活保護制度に関するQ&A」をもとにLIMO編集部作成

  • 高齢者単身世帯(68歳):東京都区部等7万7980円、地方郡部等6万9950円
  • 高齢者夫婦世帯(68歳、65歳):東京都区部等12万5460円、地方郡部等11万1720円

夫婦の高齢者世帯の額は、単身の額の2倍にはなっていません。生活扶助には、食費などの個人ごとの費用と、光熱水費などの世帯共通の費用があり、世帯の人数で計算が変わるためです。生活扶助のほか、必要に応じて住宅扶助や医療扶助なども支給されます。

5. 65歳以上の単身無職世帯は、2025年平均で可処分所得11万8465円に対し消費支出14万8445円

総務省の「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯の1か月の家計は次のとおりです。生活保護を受けていない世帯も含めた全国の平均です。

  • 実収入:13万1456円(うち社会保障給付12万212円)
  • 可処分所得:11万8465円
  • 消費支出:14万8445円
  • 不足分:2万9980円

ひとり暮らしの親の家計は、平均で毎月2万9980円の不足になっています。子が同居すると、食費や光熱水費をどう分担するかで、親の家計の見え方も変わります。

6. 親と同居する前に、生活費の分け方を決めて記録しておく

親子の同居では、誰がどの支払いをしているのかがあいまいになりがちです。生活保護では「生計を一にしているか」が世帯の認定に関わるため、同居の前に次の点を整理しておくと、福祉事務所への説明もしやすくなります。

  • 家賃や光熱水費、食費を、親と子でどう分担するのか
  • 親の年金などの収入と、子の収入を入れる口座を分けているか
  • 親の世話のために同居することを、どのように説明できるか

世帯分離が認められるかどうかは、福祉事務所が世帯の状況を見て判断します。同居を始める前に相談し、どの扱いになるのか、届け出が必要なことは何かを確かめておきましょう。

7. まとめ

被保護者調査(令和8年7月分概数)によると、生活保護を受けている世帯の55.2%は高齢者世帯で、その93.5%は単身世帯でした。

生活保護は世帯単位が原則で、同じ住居に住み生計を一にしている人は同じ世帯と認定されます。ただし厚生労働省の通知は、世帯員の日常生活の世話を目的に転入した人や、常時の介護が必要な人がいる場合などに、世帯分離を認めています。生活保持義務関係は夫婦の間と、親と中学3年以下の子の関係です。

親の世話のために同居を考えている人は、同居を始める前に福祉事務所へ相談し、世帯の認定がどうなるかを確かめてみてはいかがでしょうか。

参考資料

和田 直子