4. ゆうちょ銀行の定額貯金・定期貯金は、預けたあとに金利が上がっても預入時の金利のまま

ゆうちょ銀行は、定額貯金は預入時の利率を最長10年間、定期貯金は預入時の利率を預入期間を通じて適用すると案内しています。通常貯金のように、すでに預けている分の金利が引き上げに合わせて変わるわけではありません。

4.1 5月に年0.900%で預けた10年定期貯金は、満期まで年0.900%

10年定期貯金の金利は、取り扱いが始まった2026年5月18日には年0.900%でした。8月10日に年1.250%へ引き上げられましたが、5月から8月9日までに預けた10年定期貯金には、満期まで年0.900%が適用されます。

100万円を年0.900%で10年預けた場合の利息は、半年複利の単純計算で税引き前約9万3953円です。8月10日以降に年1.250%で預けた場合の約13万2708円とは、約3万8755円の差があります。

4.2 定額貯金も、預けた時点の段階金利の表が最長10年使われる

定額貯金も同じで、8月9日までに預けた定額貯金には、そのときの段階金利の表が使われます。引き上げ前の3年以上の金利は年0.510%でした。

手元の定額貯金や定期貯金の金利がいくらかは、通帳や証書、ゆうちょダイレクトの明細で確かめられます。

4.3 定期性貯金の改定後の金利が出るまで待つかどうか

金利が上がっていく時期には「いま預けてよいのか」と迷いが出てしまうかもしれません。

ゆうちょ銀行の定期性貯金の改定後の金利は、10月8日時点では公表されていません。予想で決めるより、公表された金利と、そのお金を使う予定の時期から考えるという進め方がひとつです。定額貯金は6か月たてば払い戻せるため、預け直す余地を残しておきたいお金に向いた置き方もあります。

5. 満期前に払い戻すと、定額貯金も定期貯金も約束の金利より低くなる

定額貯金と10年定期貯金を比べるときは、途中で払い戻した場合の金利もあわせて確認しておきます。

5.1 定額貯金を6か月の据置期間内に払い戻すと、据置期間内払戻金利

定額貯金は、預け入れから6か月の据置期間内に払い戻すと据置期間内払戻金利が適用されます。6か月を過ぎていれば、預けていた期間に応じた段階金利で払い戻せます。

たとえば2年預けて払い戻すと「2年以上2年6か月未満」の年0.550%が当てはまり、3年以上預けたときの年0.710%には届きません。

5.2 定期貯金を満期前に払い戻すと、預入期間内払戻利率

定期貯金を満期前に払い戻すと、預入期間内払戻利率が適用されます。商品説明書では、経過した期間に応じた預入日時点の定期貯金の約定利率に60%を掛けた率を目安とし、預入日時点の通常貯金の利率を下回らないとしています。6か月未満で払い戻した場合は、預入日時点の通常貯金の利率です。

10年定期貯金を5年たったところで払い戻すと、預入日時点の5年の定期貯金(年1.000%)に60%を掛けた年0.600%が目安になります。同じ5年でも、定額貯金を3年以上預けて払い戻したときの年0.710%を下回ります。

5.3 1口を分けて払い戻すことはできない

定額貯金は口数単位で払い戻せますが、1口を分けることはできません。定期貯金も、預入金額を分割して払い戻すことはできません。

途中で一部だけ使う可能性があるなら、最初から金額を分けて預けるという置き方もあります。定額貯金なら、100万円を1口で預けるか、10万円の口を10口にするかで、あとから払い戻せる単位が変わります。

6. 定額貯金の10年経過後と定期貯金の満期後は、通常貯金を目安とした金利になる

10年を過ぎたあとの扱いも、定額貯金と定期貯金で確認しておきます。

6.1 10年経過後の定額貯金は、年1回4月1日に利子が元金に加わる

定額貯金は預け入れから10年が過ぎると、通常貯金の金利を目安とした金利が適用されます。利子は半年複利ではなくなり、毎年3月31日を区切って4月1日に元金に加えられます。

満期振替預入を利用していれば、10年経過後に定額貯金が払い戻され、全額が通常貯金に振り替えられます。

6.2 10年定期貯金は自動継続ができず、満期後は通常貯金を目安とした金利

定期貯金も、満期を過ぎると通常貯金の金利を目安とした金利になり、年1回4月1日に利子が元金に加わります。

10年定期貯金は自動継続を選べないため、満期のあとに続けて預けるかどうかは、そのときに自分で決める必要があります。満期の時期は、通帳や証書に書かれた満期日で確かめられます。

7. 定額貯金と10年定期貯金は、使う時期が決まっているかどうかで置き分ける

金融機関での実務では、まとまったお金を1つの商品にすべて預ける方と、いくつかに分けて預ける方の両方を拝見してきました。

7.1 10年使わないと決められるお金と、時期が決まらないお金を分ける

10年は使わないと決められるお金は10年定期貯金に、いつ使うか決まっていないお金は6か月たてば払い戻せる定額貯金に、という置き方がひとつです。近く使う予定のあるお金は、出し入れのしやすい通常貯金に残しておきます。

10年の間には、住まいの修繕や家族の事情など、予定していなかった支出が出ることもあります。10年定期貯金に預ける額は、途中で払い戻さずに済みそうな範囲にとどめるという考え方もできます。

7.2 預ける前に、満期日と途中で払い戻したときの金利を書き出しておく

預けるときは、満期日(定額貯金なら3年を過ぎる日と10年を過ぎる日)と、途中で払い戻したときに当てはまる金利をメモしておくと、あとで迷いにくくなります。金利や条件はゆうちょ銀行の商品説明書や窓口で確かめられ、今後の改定で変わることもあります。

8. まとめ

ゆうちょ銀行の定額貯金は6か月たてば払い戻せる最長10年の半年複利、定期貯金は預入期間を先に決め、3年以上は半年複利で利子を計算します。2026年10月5日現在の金利は、10年定期貯金が年1.250%、定額貯金が3年以上で年0.710%で、100万円を10年預けた利息は税引き前で約13万2708円と約7万3446円です。

どちらも預けた時点の金利が続き、満期前に払い戻すと金利は下がります。10年使わないと決められるお金と、時期の決まらないお金を分けて考えると、どちらの貯金に置くかを決めやすくなります。

参考資料

和田 直子