4. 災害時預貯金口座照会は手数料がかからず、原則当日中に店頭で通知される
口座管理法には、災害で通帳やキャッシュカードをなくしたときに、自分の口座を確かめられる災害時預貯金口座照会もあります。相続時預貯金口座照会とは、申し込める人や手数料が違います。
4.1 災害時預貯金口座照会を申し込めるのは、災害救助法が適用された市町村に住んでいた人
申し込めるのは、災害救助法が適用された市町村に、災害が起きた日に住んでいた預貯金者か、その代理人です。申込みの期間は、行政庁が定める日までです。
照会先は、申込者が指定した金融機関です。手数料はかからず、結果は申し込んだ金融機関の店頭で、原則として当日中に知らされます。マイナンバーカードなど、マイナンバーを確認できる書類が必要です。
4.2 災害時預貯金口座照会の対象は、普通預金や当座預金など
災害時預貯金口座照会で対象になるのは、普通・当座などの預貯金です。譲渡性預貯金や外貨預貯金などは原則として対象外で、そのほかの定期預貯金などは、照会先の金融機関の判断で対象になる場合があります。
5. 相続時預貯金口座照会の「該当口座なし」は、口座がないことの証明にはならない
照会の結果を受け取ったら、書かれていないことの意味も確かめておきます。預金保険機構の利用規定には、結果の読み方について注意書きがあります。
5.1 付番されていない口座や、回答のなかった金融機関も「該当口座なし」になる
結果の「該当口座なし」には、本当に口座がない場合のほか、口座はあっても付番が済んでいない場合や、照会の期間内に金融機関から回答がなかった場合も含まれます。金融機関によっては、代表口座だけが回答されることもあります。
照会結果は、相続する口座の有無や内容を証明するものではありません。「該当口座なし」とあっても、心当たりのある金融機関には個別に問い合わせます。
5.2 付番する口座は個別に選べず、付番したあとは取り消せない
付番するときに選べるのは金融機関で、その金融機関の口座を1つずつ選ぶことはできません。休眠口座など、金融機関の管理状況によって付番されない口座もあります。
また、付番が完了したあとに取り消すことは原則としてできません。仕組みを家族で理解したうえで届け出るかどうかを決めます。
5.3 照会とあわせて、通帳やキャッシュカードの保管場所を家族に伝えておく
承継の相談では、どの金融機関にどの口座があるかを、通帳やキャッシュカード、金融機関から届く郵便物で確かめていくのが基本でした。ネット銀行のように通帳のない口座は、家族が存在に気づきにくい口座です。
付番で照会できるようにしておくことと、保管場所を家族に伝えておくことは、どちらか一方で足りるものではありません。両方をそろえておくと、照会の結果に出てこない口座も探しやすくなります。
6. まとめ
2024年4月1日に施行された口座管理法により、亡くなった人がマイナンバーを付番していた預貯金口座は、相続人が1つの金融機関の窓口からまとめて照会できるようになりました。手数料は1件5060円で、亡くなってから10年まで申し込め、通知されるのは金融機関名や口座番号などで残高は含まれません。
照会の結果の「該当口座なし」には、付番されていない口座も含まれます。付番するかどうかを家族で話し合うときは、通帳やキャッシュカードの保管場所もあわせて共有しておくと、相続の手続きで口座を探す手間を減らせます。
参考資料
- 預金保険機構「口座登録法及び口座管理法に基づく業務」
- 預金保険機構「相続時預貯金口座照会のお申込みにあたって(参考)」
- 預金保険機構「(口座管理法)相続時預貯金口座照会利用規定」
- 預金保険機構「災害時預貯金口座照会のお申込みにあたって(参考)」
- デジタル庁「よくある質問:預貯金口座付番制度について」
- デジタル庁「預貯金口座付番制度」
和田 直子