4. 資金循環統計の流動性預金と定期性預金の違い、ゆうちょ銀行の通常貯金は流動性預金に入る
資金循環統計の流動性預金と定期性預金に、どの預金が入るのかを確認しておきます。日本銀行の「資金循環統計の解説」に定義があります。
4.1 流動性預金は、預入期限の定めがなく主に決済に使う預金
流動性預金は、預入期限に定めがなく、主に決済のために用いられる預金です。
取引項目の一覧では、当座預金・普通預金・貯蓄預金・通知預金・別段預金・納税準備預金のほか、通常貯金が流動性預金に挙げられています。ゆうちょ銀行の通常貯金に置いているお金は、統計上は流動性預金です。
4.2 定期性預金は、払戻しに一定の制約があり主に貯蓄に使う預金
定期性預金は、払戻しに一定の制約があり、主に貯蓄のために用いられる預金です。
取引項目の一覧では、定期預金・定期積金・据置貯金と、通常貯金を除く郵便貯金が定期性預金に挙げられています。毎月積み立てる定期積金も、定期性預金に入ります。
4.3 外貨預金は、定期でも普通でも別の項目に分かれる
外貨建ての普通預金や定期預金は、流動性預金や定期性預金ではなく、外貨預金という別の項目に計上されます。2026年6月末の家計の外貨預金は7兆7424億円でした。
5. 家計全体では流動性預金が定期性預金の約1.9倍、自分の預金の割合を並べて比べる
家計全体の流動性預金と定期性預金の割合は、自分の預け方を見直すときの目安の一つになります。比べるときは、自分の預金も同じ分け方で書き出します。
5.1 口座ごとの残高を、流動性と定期性に分けて書き出す
資産運用の相談では、最初に口座ごとの残高を、普通預金と定期預金に分けて書き出してもらっていました。複数の銀行に口座がある場合、合計してみると思っていたより普通預金に多く置いていることがあります。
ゆうちょ銀行の通常貯金は流動性預金の側に、定額貯金や定期貯金、定期積金は定期性預金の側に入れます。
5.2 普通預金400万円・定期預金100万円なら、流動性が定期性の4倍
たとえば普通預金が400万円、定期預金が100万円なら、流動性預金は定期性預金の4倍です。家計全体の約1.9倍と比べると、普通預金に置いている割合が高いことになります。
割合が高いこと自体が悪いわけではありません。生活費や近いうちに使う予定のあるお金は、出し入れしやすい普通預金に置いておく必要があるためです。
5.3 定期預金に回すのは、当面の支払いに使わないお金から
普通預金から定期預金にお金を移すときは、まず数か月分の生活費と、予定している支出を普通預金に残します。そのうえで残ったお金のうち、満期まで使う予定のないお金を定期預金に回します。
定期預金を満期前に解約すると、当初の金利より低い利率になるのが一般的です。預ける前に、満期日と中途解約したときの利率を金融機関の商品説明で確かめておきます。
6. まとめ
日本銀行の資金循環統計によると、2026年6月末の家計の現金・預金は1131兆5943億円で、内訳は流動性預金が59.2%、定期性預金が31.3%、現金が8.8%でした。家計の定期性預金は2024年度の6兆3309億円の流出から、2025年度は4兆7007億円の流入に転じ、現金は2年度続けて減っています。
自分の預金を流動性と定期性に分けて書き出すと、家計全体の割合と比べられます。定期預金に回すのは、生活費や予定している支出を普通預金に残したうえで、満期まで使う予定のないお金からにすると安心です。
参考資料
和田 直子