4. 配偶者手当の見直しを予定・検討中の事業所は15.3%、見直しの内容は「未定」が49.6%
人事院の調査では、配偶者に対する家族手当を今後見直す予定があるかも尋ねています。決まっていることと、まだ決まっていないことを分けて見ておきます。
4.1 見直す予定はない(検討も行っていない)事業所が73.6%
配偶者に家族手当を支給する事業所を100とすると、見直す予定がある、または見直しを検討中の事業所は15.3%でした。税制や社会保障制度、他の企業や公務員の動向によっては見直しを検討する事業所が11.1%、見直す予定はない(検討も行っていない)事業所が73.6%です。
4.2 見直す予定・検討中の事業所でも、内容が決まっていないところが約半数
見直す予定がある、または検討中の事業所を100とすると、見直しの内容は「未定」が49.6%で最も多くなっています。決まっている内容では、手当の廃止が31.4%、手当額の減額が9.4%、増額が3.9%、その他が5.6%でした。
国家公務員の配偶者に係る扶養手当は、法律の改正で令和8年度から支給されないことが決まっています。一方、民間の配偶者手当は、厚生労働省が労使での話し合いを呼びかけている段階で、見直すかどうかは企業ごとに決まります。
5. 厚生労働省が示す配偶者手当の見直し方は、基本給への組み入れや子どもを対象とした手当
厚生労働省のリーフレットでは、配偶者手当を見直した企業の例として、基本給への組み入れや、子どもや障害者を対象とした手当の創設を挙げています。
賃金の原資の総額を維持するように見直した例や、経過措置を設けた例が多く見られたとされています。就業規則を変えて労働条件を不利益に変更する場合には、労働契約法の規定や判例を踏まえた対応が必要とも説明しています。
5.1 地方公務員の扶養手当は、各自治体の条例で定められている
自治体の職員の扶養手当は、国家公務員の給与法ではなく、それぞれの自治体の条例で定められています。自治体で働いていた頃も、手当の額や支給の条件は条例と規則で確認するものでした。配偶者が自治体の職員なら、勤め先の自治体の条例や人事担当の案内で確かめることになります。
6. 勤め先の給与規程で確かめたい、配偶者手当の3つの点
配偶者手当の基準は会社ごとに違うため、税金や健康保険の基準に当てはめて判断すると食い違うことがあります。規程を見るときは、次の3点を確かめておくと安心です。
- 収入制限の額と、その「収入」が給与の総額なのか所得なのか
- いつの時点の収入で判定するのか(前年の実績か、その年の見込みか)
- 基準を超えたときに、いつから支給が止まるのか
規程の読み方が分からないときは、勤め先の人事・総務の担当者に確認してください。健康保険の扶養の基準は加入している健康保険の保険者に、所得税の扶養は税務署に確認すると、3つの基準を混同せずに済みます。
7. まとめ
人事院の令和6年職種別民間給与実態調査では、配偶者に家族手当を支給する事業所の88.0%が配偶者の収入で制限を設けており、制限の額は103万円が43.4%で最も多くなっていました。
所得税の扶養の基準は136万円に引き上げられましたが、会社の配偶者手当の基準はそれに合わせて自動で変わるものではありません。見直しを予定・検討中の事業所は15.3%で、内容が決まっていないところも多いため、働き方を決める前に勤め先の規程を確かめておきましょう。
参考資料
太田 彩子